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【研究成果】ブラックホールの周りに広がる新たな「惑星」の世界

[記事掲載日:19.11.25]

 この度、鹿児島大学・国立天文台の研究チームによる研究成果が発表されましたので、お知らせします。
 詳細については、以下の説明資料をご覧下さい。
 
 
【研究概要】
 
 惑星は太陽のような恒星の周りを回る天体です。しかし、鹿児島大学と国立天文台の研究者からなるチームは、この常識を覆す理論を提案しました。まったく新しい「惑星」の種族が銀河中心の巨大ブラックホールの周囲に形成される可能性を世界ではじめて理論的に示したのです。現在、3000以上の恒星のまわりで太陽系外惑星が見つかっており、その形成理論が提唱されています。研究チームはこの理論が正しいならば、銀河の中心に存在している太陽の1000万倍もの質量をもつ巨大ブラックホールの周りにあるマイクロメートルサイズの塵から、地球質量の10倍程度の「惑星」が1万個以上も形成されることを明らかにしました。この「惑星」はブラックホールから約10光年ほど離れたところを周り、その形成には数億年ほどかかるとされます。今回の発見は、まったく新たな研究分野の創設につながり、将来の技術革新によって、この新天体が実際に検出されるのではないかと研究チームは期待しています。本研究成果は、2019年11月26日のアメリカ天文学会誌アストロフィジカルジャーナルに掲載されます。
 


図1:巨大ブラックホールの周りを回る「惑星」の想像図。(クレジット:鹿児島大学)

 

図2:巨大ブラックホールと、その周囲をとりまくガスと塵の円盤の想像図。(クレジット:鹿児島大学)

 

図3:[左]太陽のような恒星の周りで起こる惑星形成の標準的なシナリオ。[右]巨大ブラックホールをとりまく円盤で起こると考えられる「惑星」の形成シナリオ。(クレジット:国立天文台、鹿児島大学)

 

図4:太陽質量の1000万倍の巨大ブラックホールから15光年ほど離れた場所でどのように塵が成長するかを示した理論計算結果。(クレジット:Wada et al., ApJ, 2019を改変)

 
【詳細】