平成22年度 鹿児島大学FD報告書
26/40

教育センター高等教育研究開発部のFD活動(共通教育)1.はじめに 平成22年度の共通教育に関するFD活動を行うに当たり、昨年からの引き継ぎ事項として、①教養教育オープンクラスの企画・実施、②共通教育科目の授業公開・授業参観の企画・実施、③共通教育における授業アンケートの企画・実施と結果の開示、④授業改善報告書の提出率の向上と提出による改善状況の把握及び結果の開示、⑤授業アンケートの結果と授業改善報告書の記述内容を踏まえた教育改善の推進、という項目が挙げられていた。これらの事項を念頭においた上で、平成22年度の活動として、昨年と同様に、各期において受講生を対象としたアンケート調査(中間授業アンケート)と学期末授業評価アンケート、授業担当者には学期末授業評価アンケートの調査結果を踏まえた授業改善報告書の提出を求めた。また、学内の教員を対象とした共通教育科目の授業公開・授業参観の企画と実施およびアンケート調査を行った。さらに、後期の共通教育科目の授業公開・授業参観の実施期間中に、学外者を対象としたオープンクラスを実施し、併せて新任教員を対象としたFD委員会主催の新任教員FD研修会の企画として後期の共通教育科目の授業公開・授業参観を実施した。 中間授業アンケートに関しては従来の質問紙による調査方法からmoodleを活用した調査を推奨し、その実施率についてのデータの蓄積を行った。学期末授業評価アンケートとオープンクラスの企画・実施については、それぞれ部会委員でワーキンググループ(WG)を組織し、内容の充実に向けて取り組んできた。学期末授業評価アンケートに関しては、前年度に授業改善報告書等に記載された要望を踏まえ、国内外の資料を参考に授業評価というより授業改善に資することを主な観点とした新しいアンケートの作成と実施を目指してWGを中心に取り組み、授業改善に資するためのアンケートとして原案を作成し、高等教育研究開発部会での承認を得るに至った。しかし、アンケート項目を検討する中で、その内容の変更に伴って中間授業アンケート、授業改善報告書等についても質問項目、実施方法、時期を検討する必要性を感じ、新しいアンケートの提案には至らず、次年度に引き継ぐこととした。 今年度は、前年度に本部会で実施された企画を踏襲しながら、若干の工夫や新しい試みを行いながら実施した。ここでは、企画の実施内容およびアンケートの結果について報告する。2.中間授業アンケート 学生への中間授業アンケートは、前期は5月17日、後期は11月16日から約1カ月間、授業担当者に依頼して実施した。中間授業アンケートは、その結果を受講している学生に反映することを考慮に入れて授業期間の途中に行われているものであり、また、自由記述の欄が設けられているものの質問内容が短く、回答形式がチェックによるものであることから、入力、集計を行うにあたりmoodleが有効に活用できる。教育センターでは、中間授業アンケートの実施にはmoodleを活用することを推奨しており、昨年後期からアンケートの方法別に実施状況を調べている。平成21年度と平成22年度の実施状況について後期に関して比較し、表1に示す。今年度は教育センターで用意したアンケート用紙を使用した担当者の授業数は平成21年度と比較して55科目減少し、アンケート用紙の配布数も平成21年度16,980枚から平成22年度10,443枚とかなり減少していた。moodleを活用した授業は34科目増加していた。しかし、全科目数から考えると、いまだ紙媒体を使用している授業担当者が7割であり、集計結果を迅速に授業改善に生かすためにもさらに入力のデジタル化が促進されるよう部会としても方策を検討する必要があると思われる。鹿児島大学FD報告書24

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です