平成22年度 鹿児島大学FD報告書
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② 評価項目Q209 「この授業は全体として満足できるものでしたか」●授業改善のためには、受講生からのより具体的な指摘(自由記述)が必要。●受講生の主観的な満足度に基づく評価は、必ずしも授業改善にはつながらないのではないか。●単なる「満足度」は、授業の質に比例しないのではないか。③ 授業アンケートについて●授業アンケートの設問項目の改善をお願いしたい。●平均値の推移に基づく授業改善には限界がある。学生の生の声が聴ける(自由記述による)授業アンケートをお願いしたい。●moodleによる授業アンケートの回収率が低く、集計結果の信頼性に疑問を感じる。④ 授業改善報告書について●毎年度受講生の母集団は変化するので、前年度との比較には意味がないのではないか。●授業改善報告書の「受講登録者数」などは、教務係で把握しているのではないか。あらかじめ記入しておいて欲しい。●授業アンケートの3項目の平均値を前年度と比較することが授業改善につながるのか、再検討をお願いしたい。 その他、授業改善報告書の記述には、近年、受講生の学力・理解力の低下や、学びに対する積極性の喪失が顕著であるものの、大学教育の質を確保するためには授業の到達目標を下げる訳にもいかず、その間で葛藤する教員の苦悩も読み取れる。また、受講生間の学力格差の拡大も指摘されている。この問題は多人数教育においてより対応が困難と考えられる。解決策として、現在英語科目で行われているような能力別クラス編成を要望する声も聞かれる。これらの問題は、個々の教員の授業改善により解決できるものではないことから、今後、共通教育と各部局の専門教育が連携を図りながら、教育組織としてどのような教育体系やカリキュラムを構築すべきか検討する必要があると思われる。 現行の授業評価アンケートは、大学におけるFD活動が叫ばれ始めた頃の様式をいまだ継承しており、担当教員の授業改善に資する内容とはなっていない。そこで、高等教育研究開発部会では、寄せられた意見を参考に議論を深め、できるだけ早い段階で各書式の改善が図れるよう努めたいと考えている。鹿児島大学FD報告書36

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