平成22年度 鹿児島大学FD報告書
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FD活動の新たな一歩に向けて鹿児島大学FD委員会委員長(教育担当理事)阿部 美紀子 記録によると、鹿児島大学が本格的にFD活動を開始したのは平成12年である。これは恐らく、大学設置基準にFDの実施が努力義務として規定されたことに基づいてのことと思われる。平成14年度の活動報告書をみると、全学事業としては、他大学の教育開発に携わる人を招いたFD講演会、ゲスト講師を招いた合宿形式のFDワークショップ、新任教員(当時は教官と呼ばれた)研修会、授業評価アンケート、公開授業など、また、各学部でも個々に活動を行うなど、盛りだくさんに行われていたことが窺える。その後、平成21年5月まで、FD委員会は教育センターの1委員会に位置づけられて活動を継続してきた。特に、授業評価アンケートは、全学的に実施、分析され、その結果は各教員にフィードバックし、個々に課題を確認して授業方法等の改善の参考資料とした。また、各期毎に行われる授業公開は共通教育、専門教育を問わず、平成18年度から実施が義務化され、全学的に実施されているところである。 平成20年度から3ヶ年は戦略的大学支援事業により、県内大学等が連携して取り組むFD/SDプログラムが計画・実施された。一連の事業は、22年度で支援期間が終了することを受け、FD/SDプログラムは23年度からは大学地域コンソーシアム鹿児島の中に部会を設けて県内大学の連携事業として継続的に実施されることとなった。 平成21年5月22日の規則改正により、FD委員会は理事を委員長とする全学委員会として歩み始めた。FD活動報告も平成21年度活動分までは教育センター年報の中に合冊されてきたが、平成22年度活動分から「鹿児島大学FD報告書」として独立して編集されることになり、この度、再出発の第一号(Vol.11)を刊行するに至った。こうして見ると、本学のFD活動は、充分に長い歴史の中で培われてきたものといえる。 本報告書は、全学および各部局で取り組まれるFD活動の単なる実施報告に止まらず、活動の結果、どういう課題が顕在化し、それを解決するには如何なる方法が考えられるべきか等、以降の年度の活動に向けての事業提案書となることが期待される。 鹿児島大学のFD活動・SD活動の持続的な展開を通して、学生の教育改善の実現に至るよう、本報告書が指南書として有効に活用されることを目指したい。2巻頭言平成22年度鹿児島大学FD報告書

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