平成22年度 鹿児島大学FD報告書
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鹿児島大学FD委員会が企画、実施した平成22年度新任教員FD研修会について、以下に報告する。1.新任教員による授業検討会 共通教育等科目の中から基礎教育科目、外国語科目、教養科目を担当している新任教員1名ずつに授業公開をお願いし、これを参観した新任教員並びにFD委員、各科目専門委員による授業改善や教育資質向上を目的とした授業検討会を行った。私が参加した授業検討会では授業中における受講生とのコミュニケーションの取り方などについて議論がなされ、アンケート調査からも多くの参加者から肯定的な評価をいただいた。本企画を通して、新任教員の皆様に授業改善に対する意識を高めていただくと共に、教員相互で議論していただく有意義な機会を提供できたと考える。2. 意見交換会「『自ら学ぶ学生』をいかに育てるか」 平成22年11月4日(木) 16:10~17:40 共通教育棟1号館第2会議室 初めにFD委員の杉本和弘先生(教育センター)より「大学教育のパラダイム転換̶teachingからlearningへ」と題し話題提供をいただいた。その後、新任教員8名に4名のFD委員(うち2名はタスクフォース)が加わり、「『自ら学ぶ学生』をいかに育てるか」と題して意見交換会を行った。意見交換会では、特に(1)組織としての教育体制確立の重要性 (2)学生に対する『学び』の動機付けについて議論がなされた。 (1)については、教員側が教育組織の一員としての意識に乏しく、例えば講座内や学科内での教育、授業に関するコミュニケーションが不足しているとの指摘があった。その結果、組織としての教育目標が曖昧で、教員間で共通の目標を共有するに至らず、教員個人が自身の判断でカリキュラムを考えざるを得ない。学生はカリキュラムの道筋やそのゴールが見えず、学習意欲の低下につながっていることを危惧する声が聞かれた。従前のFD活動はともすると教員個人の教育資質の向上に意識が向きがちだが、今後のFD活動の方向性として、教育組織としての教育の質を改善するための道筋を示す必要があると考えられる。 また、(2)については、近年の学生は得た知識を自分の枠組みの中で捉え構成し直す能力が低下していることが指摘された。その解決策として、教員は、授業形態も鑑みながら、知識の提供に加えて、学生との細やかなコミュニケーションの形成、グループディスカッションや課題報告会などの学生同士での学び合いの刺激といった、何らかの教育的働き掛けが必要であるとの意見を得た。新任教員FD研修会報告授業科目名(科目分類)担当者名(学部)授業実施日時検討会実施日時統計学I(基礎教育科目)中国語コアII(外国語科目)健康管理(教養科目)米山和良先生(水産学部)伊娜先生(法文学部)鮫島久美先生(保健管理センター)11月1日(月)10:30~12:0011月1日(月)12:00~12:3011月2日(火)8:50~10:2011月2日(火)10:20~10:5011月4日(木)10:30~12:0011月4日(木)12:00~12:30表1. 平成23年度に開催された新任教員による授業公開・授業検討会一覧開催日時開催場所5

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