平成23年度 鹿児島大学 FD報告書
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30鹿児島大学FD報告書教育センター高等教育研究開発部(共通教育)のFD活動1. はじめに  平成23年度の共通教育に関するFD活動を行うに当たり、昨年からの引き継ぎ事項として、①共通教育における授業アンケートの改定(授業改善に資するアンケート(期末)案の検討、中間授業アンケート及び授業改善報告書の改定)、②授業アンケートの実施と結果の開示、③授業アンケートにおけるMoodleの活用率向上のための検討、④授業アンケート・授業改善報告書の結果を基にした教育の成果・効果の検証と教育改善の推進、⑤共通教育の授業公開・授業参観の企画・実施、⑥教育センターオープンクラスの企画・実施、⑦大学地域コンソーシアム鹿児島と連携したFD活動への参加という項目が挙げられていた。これらの事項を念頭においた上で、平成23年度の活動として、昨年と同様に、各期において受講生を対象としたアンケート調査「中間授業アンケート」と学期末「授業改善に資するアンケート」(授業評価アンケート)、授業担当者には学期末「授業改善に資するアンケート」の調査結果を踏まえた授業改善メモ(報告書)の提出を求めた。また、学内の教員を対象とした共通教育科目の授業公開・授業参観の企画と実施およびアンケート調査を行った。さらに、後期の共通教育科目の授業公開・授業参観の実施期間中に、新任教員を対象としたFD委員会主催の新任教員FD研修会の一環として授業参観を併せて実施した。また、10月には、学外者を対象としたオープンクラスを実施し、授業見学と施設見学を行った。 中間授業アンケートに関しては従来の質問紙による調査方法からMoodleを活用した調査を推奨し、その実施率についてのデータの蓄積を行った。学期末授業評価アンケートとオープンクラスの企画・実施については、それぞれ部会委員でワーキンググループを組織し、内容の充実に向けて取り組んできた。特に、学期末授業評価アンケートに関しては、前年度に授業改善に資することを主な観点とした新しいアンケートの作成と実施を目指して作成した原案を引き継ぎ、「授業改善に資するアンケート」に改定した。併せて、中間授業アンケート、授業改善メモ等についても質問項目や様式を検討し、「授業改善に資するアンケート」と連動した形で、より教員の授業改善に役立ててもらえるよう改定した。 今年度は、前年度に本部会で実施された企画を踏襲しながら、若干の工夫や新しい試みを行いながら実施した。ここでは、企画の実施内容およびアンケートの結果について報告する。2. 中間授業アンケート 学生への中間授業アンケートは、前期は5月19日、後期は11月14日から約1カ月間、授業担当者に依頼して実施した。中間授業アンケートは、その結果を受講している学生に反映することを考慮に入れて授業期間の途中に行われているものであり、また、自由記述の欄が設けられているものの質問内容が短く、回答形式がチェックによるものであることから、入力、集計を行うにあたりMoodleが有効に活用できる。教育センターでは、中間授業アンケートの実施にはMoodleを活用することを推奨しており、昨年後期からアンケートの方法別に実施状況を調べている。平成21年度~平成23年度の実施状況について後期に関して比較した結果を表1に示す。今年度は教育センターで用意したアンケート用紙を使用した担当者の授業数は平成22年度と比較して34科目増加し、アンケート用紙の配布数も平成21年度16,980枚、平成22年度10,443枚、平成23年度16,544枚と増加していた。一方、Moodleを活用した授業は平成21年度47科目、平成22年度81科目、平成23年度48科目となっており、平成22年度と比較すると33科目の減となっている。全科目数から考えると、紙媒体を使用している授業担当者の割合も7割から8割に増えている。Moodleへの移行が望まれるが、現状では、アンケートをMoodleで実施すると学生からの回答が得られにくい傾向があるので、今後、アンケートの実施方法や、Moodleで実施した際の学生の回答を促すなど方策を検討する必要がある。

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