平成24年度 FD報告書
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22鹿児島大学FD報告書鹿大版FDガイド第4号、第5号の発刊にあたって 前年度に引き続き、鹿児島大学FD委員会では鹿大版FDガイドの発刊を行った。今年度に入り、担当ワーキンググループの構成メンバーが一新され、新たな体制での活動となった。FDガイド第3号までに取り上げられたテーマ、「授業にピア活動を取り入れる」、「同僚の授業から学ぶ」及び「授業改善のためのヒント(1)」は、いずれも授業改善や履修指導に関わるヒントの提供を中心として企画されてきた。第4号以降についても同様のコンセプトを踏襲することとしたが、新たなテーマについても模索するために、平成24年7月にFD委員会委員を対象として、ガイドに取り上げたいテーマの公募を行った。その結果、回答が多かったのは「効果的な授業改善法」、「学生とのコミュニケーション法、フィードバック法」、「教材作成、Eラーニング」などであった。そこで、第4号では過去3号との継続性を持たせるために「効果的な授業改善法」に関して、「シラバス」に関する情報提供をテーマとして採用した。これは、平成24年9月に実施された本FD委員会主催の「新任教員FD研修会」において、教育目標達成やカリキュラムの構成要素といった観点から授業について考える機会が設けられ、ここでも「シラバス」が一つの話題となった経緯を踏まえたものである。ガイドに記載した内容は、全国の高等教育機関の大半で作成されており、本学でも10年以上前から作成が義務付けられているシラバスについて、原点に立ち返り、その「語源」や「基本的な役割」、「対象別の意義や効果」などについて比較的平易な言葉で記載を行った。 第5号では、前述のアンケート結果をふまえ、教育場面で困難を伴うことが多い「コミュニケーション」に関する内容を、多面的に検討することとした。執筆については、本WGメンバーである臨床心理学研究科の金坂先生に、主として授業や学生指導の場面で直面することの多いコミュニケーションの難しさという視点から記載していただくよう依頼した。このテーマは、教育に関わるステークホルダー全てにとって非常に重要ではあるものの、一般的に簡潔で明確な処方箋があるわけではないため、手軽で具体的な万人向けの“How to”形式で記載するには困難な内容であった。そのため内容は、「私の心とあなたの心は違う」、「わかってくれているはず、という期待はたいてい裏切られます」、「その言葉、伝わっていますか?」、「コミュニケーションって、だから本当は難しいのです」といった構成でエッセイ形式での記載を採用し、読者にコミュニケーションにおける問題点の認識と共有化を図ってもらえるように意図した。 第4号の「シラバス」、第5号の「コミュニケーション」いずれも、テーマとしては非常に広範な内容を含むため、FDガイドの次号以降、継続してテーマとして採用していただき、より深く検討していく必要があると考えられる。(文責 歯学部 田口 則宏)第4号第5号

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