鹿児島大学FD報告書(平成26年度)
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11アクティブ・ラーニングを大学教育に定着させるためには平成26年10月4日(土)13:00~16:30郡元キャンパス 共通教育棟1号館111号教室、2号館212・213号教室80名(参加校:志學館大学、鹿児島国際大学、鹿児島純心女子大学、鹿屋体育大学、第一工業大学、鹿児島高等工業専門学校、鹿児島県立短期大学、鹿児島純心女子短期大学、第一幼児教育短期大学、北海道大学)大学地域コンソーシアム鹿児島、鹿児島大学FD委員会FD・SD合同フォーラム日  時テーマ場  所参加者主  催1. 概要2.基調講演学生の「能動的な学び」に基づく授業の展開―PBL(Problem/Project-based Learning)による実践の紹介講師:中西 良文氏(三重大学教育学部/高等教育創造開発センター)①アクティブ・ラーニングおよびPBLをめぐる状況  現代の大学教育には、大別して2つのことが求められている。1つは、自ら学ぶ力の育成である。このことは高等教育のみでできることではなく、初等教育から高等教育に至るまで一貫して取り組むことが求められている。もう1つは、社会人として求められる力の育成である。高等教育進学率が50%を超える現代においては、知識内容の修得だけでなく、汎用的能力や働くための基礎力の育成が強く期待されている。そうした能力育成に効果を発揮するものとして関心を集めているのがアクティブ・ラーニングである。  アクティブ・ラーニングは2012年に示された中央教育審議会答申において、「学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称」とされている。ただし、総称という表現からも明らかなように、具体的な手法については、体験学習や調査学習の他、教室内でのグループ・ディスカッション等も含まれており、非常に幅広く解釈されている。例えば、「一生懸命授業を聴く」という行為にも能動的な側面はあるということも可能であり、「能動的」であることの質の違いにも目を向ける必要がある。  こうしたアクティブ・ラーニングの一形態がPBLである。PBLとは、「特定の領域における理論的説明や専門的な実践にかかわる現実的な問題が小グループに与えられ、その解決法の検討を通して学習を進めるものである」(当日配布資料より抜粋)。PBLには、知識を結びつけて組み立てることや日常生活を関連付けた学びなどが可能であり、その有効性は学習科学の知見からも明らかにされている。

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