鹿児島大学FD報告書(平成26年度)
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27鹿大版FDガイド第8号、第9号の発刊にあたって 平成26年度は、9月に第8号「パワーポイントを効果的に活用する」、2月に第9号「アクティブ・ラーニングとは?」を作成、刊行した。 担当ワーキンググループでは、今年度のFDガイド作成方針として以下の2点を重視することとした。FDの重要性を教員が認識あるいは再確認するきっかけとなるような内容とすること、文字量を多くせず、より具体的な表現を用いて各教員が日々の実践に活かしやすい内容とすることを重視することである。 第8号では、パワーポイントの活用法について取り上げた図表や授業の要点を分かりやすく示しやすいといった利点からパワーポイント活用が普及する一方、授業が一方向的で単調になりやすいといった問題点も指摘されている。そこで第8号では、パワーポイントの特徴や活用上の注意点を指摘した上で、具体的な工夫の仕方を示した。 第9号では、本年度のFD・SD合同フォーラムや新任教員FD研修会のテーマも考慮し、アクティブ・ラーニングを取り上げた。これは、アクティブ・ラーニングが重要だとたびたび耳にするものの、その定義が曖昧であり、各教員がこれまで個々に行ってきた授業運営上の工夫との違い及び共通点も分かりにくい現状に対する問題意識に基づくものである。今回のFDガイドで取り上げた内容は具体的な工夫の一部に過ぎないが、学生が能動的に学修を進めて目標を達成できるような授業運営につながることを願う。 なお、テーマの検討にあたっては、授業時間外学修時間の促進や授業の運営方法と教室デザインの関係等、様々なテーマ案が挙がった。授業時間外学修を促すには、図書館やラーニング・コモンズ等、学生が学修できる環境を教室外にも整備していくことが必要となる。また、アクティブ・ラーニングを促すためにペアやグループでの活動等を積極的に授業に取り入れる際には、可動式の机・椅子の配置が望ましい等、教育成果向上のためには教室環境の充実も必要である。こうした学修環境デザインについては、FDの文脈に収まりきらないため、FDガイドで扱うのは困難と判断した。しかし、より高い教育成果を挙げるための重要な課題であることから、別途検討が必要だと考える。(文責:教育センター高等教育研究開発部 伊藤 奈賀子)FDガイド第8号FDガイド第9号

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