鹿児島大学FD報告書(平成26年度)
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28大学IRコンソーシアム・アンケートの実施1. これまでの経緯:「鹿児島大学共通教育における学習実態・学習成果に関する調査」からの発展的移行 本学では、2010年度から3年にわたり、「鹿児島大学共通教育における学習実態・学習成果に関する調査」を行ってきた。同調査は、次の2点の把握と検証を主な目的とするものであった。①共通教育科目等を受講する学生の実態の把握、特に学生の基礎知識がどのようなものか、どのような学習ニーズをもっているか②本学がこれまで行ってきたさまざまな教育改善の活動がどのような成果として現れているか これらの結果については、2010~2012年度の本学FD報告書において既に述べた通りであり、本学学生の実態を明らかにするものとして一定の成果を挙げた。しかし、本学独自の調査であったことから、他大学の学生と比較しての本学学生の特徴は明らかにできなかった。また、学生が本学に在籍している期間中に一度だけ行われるものであったため、学生の学修成果の伸びを測ることができなかった。 こうしたことから、本学は2012年度に大学IRコンソーシアムに入会した。大学IRコンソーシアムでは、加盟大学が共通のアンケートを実施するため、他大学の結果との相互比較が可能である。また、1年次調査と上級生調査という2種類があることから、学修成果の伸びを測ることも可能である。まずは加盟した2012年度に200人、2013年度は500人の1年次学部学生を対象として、教育センターに依頼して試行的に1年次調査を実施した。2. アンケート結果への対応策検討に関する組織体制の整備 しかし、この間、アンケートの実施に当たっての組織体制の整備や結果の活用方法に対する議論が充分行われてきたとは言い難い。効果的な教育改善のためには、学生の状況を的確に把握し、それに基づく改善策を着実に実行していくことが必要であり、今後も継続的に同調査を実施予定であることを鑑みても、アンケート実施に関する組織としての運営体制および結果を踏まえた教育改善のサイクル確立は喫緊の課題であった。 こうした状況を踏まえ、平成25年7月より、教育担当理事より指示を受けたワーキンググループにおいてこれらの諸課題について検討が行われ、同年11月本学における大学IRコンソーシアム・アンケートの活用に関する答申が示された。そして、平成26年1月、答申の内容を受け、教育改革室において「大学IRコンソーシアム学生調査に関する実施要領」が決定された。運営サイクルは下図の通りである。鹿児島大学FD報告書ACPD依頼を受けた教育センター及び委員会で改善策を図る各学部の意見・要望を取り入れつつ、FD委員会で決定高等教育研究開発部で素案作成、教育改革室で審議及び各部局・各委員会へ報告、必要な場合は改善依頼具体的な実施方法をFD委員会で決定し、担当部局・委員会等に依頼して実施結果の分析および担当部局の仕分け調査の実施・集計アンケート(追加)項目の決定・修正結果を踏まえた具体策の検討・実施

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