鹿児島大学FD報告書(平成26年度)
31/45

293. 平成26年度の大学IRコンソーシアム・アンケート実施について 運営サイクルが確立されたことを受け、本年度はこれまで実施してきた1年生調査に加え、上級生調査を実施することとした。対象は3年生500名である。実施に当たってはFD委員を通じて各学部にアンケートを依頼した。1年生調査は1年次の秋に実施されるため、主として共通教育に対する見解や学修成果が示されるのに対し、上級生調査については専門教育の成果も踏まえた結果が示されると考えられる。現在は、調査結果の集計を行っている段階であり、結果が明らかにされた後には丁寧な分析を行い、本学における教育改善へと活かすことが求められる。 一方、2013年度に実施した1年次調査の結果からは、加盟国公立大学グループと比較したところ、本学の学生についていくつかの顕著な特徴が現れた。国公立大学には、北海道大学、お茶の水女子大学、大阪府立大学、長崎大学、琉球大学が含まれる。 中でも大学として改善を図る必要性が高いと考えられたのは、以下の3項目である。(1)希望通りの履修ができない学生の多さ(2)プレゼンテーション能力の伸びを実感できない学生の多さ(3)授業時間外学修時間の短さ 図1から明らかなように、(1)については、突出して大きな問題がある現状が明らかになった。1年次の秋というアンケート回答時期を考えた場合、この結果の原因は共通教育にあると考えられることから、対応策の検討を教育センターに依頼した。 教育センターでは、履修登録後の抽選漏れ学生数や講義の開設時間帯の偏りなどのデータ分析を行い、2015年度は抽選漏れ学生数が極めて多い一部科目の前後期開設や開講時間帯の移動等を各教員に依頼して対応することとした。しかし、これらの対応は対症療法的なものにとどまるものである。学生が必要な能力を身に付け、目標を達成できるようにするためには、カリキュラム全体の見直しが必要である。本年度から教育センターでは、2016年度からの開始に向けた共通教育カリキュラム改革を進めているところであり、新たなカリキュラムの発足時にはこうした問題の解決が図られていることが望ましい。図1 授業経験:取りたい授業を履修登録できなかった0%鹿児島大学 全体ひんぱんにあったときどきあったあまりなかったまったくなかった国公立大学グループ5%10%15%34.813.24730.314.622.13.534.320%25%30%35%40%45%50%

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です