鹿児島大学FD報告書(平成26年度)
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37(2)平成26年度前期末 「授業改善メモ」のまとめⅠ 【授業改善に向けての試みや工夫】(文責:工学部 本間 俊雄) 各教員から様々な試み・工夫が挙げられた。授業科目によりそれらの試み・工夫には分野独自の内容がみられる。しかし、ここでは以下の3の観点から、授業科目による独自性を排した共通項目に絞りまとめることにする。ただし、3つの項目は、便宜的に分けたものであって、互いに関連し、独立なものではない。(1)学生に授業への興味を持たせ参加を促すための試み・工夫 (2)個々の学生に対応した試み・工夫 (3)授業をコントロールする試み・工夫 なお、3つに分類できないものは、4.その他として扱う。また、「板書を工夫する」、「レポートを毎回課す」、「小テストを毎回課す」、「独自の資料を配布する」などの普段の授業で実施されるべき内容やそれらに対応する一般的に考えられるものは、記載を省略した。(1)学生に授業への興味を持たせ参加を促すための試み・工夫 学生の興味を喚起させるには、如何にモチベーションの低い学生に対して、授業に集中させるかが問題になる。これに対しては、「文化的な話題を取り入れる」、「ゲームや文化の紹介等を導入する」などの授業に関連する話題の挿入、あるいは「当該トピックに関連するDVDを視聴する」、「DVDをテキストにする」、「CD、DVDという視聴覚機材を使用」などと映像や音を見聞きさせることで、勉学意欲を向上させる工夫が多かった。映像の視聴は、単に興味を喚起させるためだけではなく、「具体的イメージを持った学習」や「理解を深めるために」にも利用されている。英語授業で、「毎回テキストに入る前に、簡単な日常表現を課題に指定したスキット(創作から実演まで)とスピーチ(質疑応答まで)に取り組んだ。」との学生に緊張感を持たせた工夫もある。 教科目にもよるものの、受講生が集中できる快適な学習環境(授業に参加し易い雰囲気)の向上を図るためには、「使う教材を選んでもらい、さらにそのどのユニットを勉強したいか選んでもらった。」、「グループ・ディスカッションを取り入れて、考える作業が楽しくなるようにした。グループ内で適切なピア・サポートが見られた。」、「最新の、かつ生徒が興味をひかれるような実際に日常で使っている内容の資料を用いるよう常に考えている。」などの報告もある。 英語の授業で既習事項が身についているかの確認では、「2~5名(5~10数組)を指名し、会話、寸劇を試みている。」あるいは、「世界各国からきた留学生の協力の下、多様性のある英語にも慣れるとともに、英語で自由に自分の意見を表現できるように、できるだけQ&Aの時間をとれるようにしている。」との実践に即した試みもあった。 興味を喚起させることではないが、「出席取りを授業の最初と中間に分けて行い(学生の眠気を取るため)、その中間での出席取りの際に、授業前半のポイントについて、パワーポイントで問題、そして解答を提示し、学生の学習効果が高まるよう努力している。」との試みもある。は、個別の意見ではあるが、アンケートによって吸い上げられ、検討・対応することで教育全般の改善につながる。「4.情報提供の要望」は、教育改革に関する情報の浸透が不十分であることを示している。共通教育に関わらない教員は、さらに、情報への関心も低くなりがちで全学的な教員の参画を促すためには、更なる情報共有が必要と思われる。

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