鹿児島大学FD報告書(平成26年度)
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39Ⅱ 【授業改善に関連した意見・要望等】(文責:共同獣医学部 松尾 智英) 授業改善に関連した意見・要望等に記されていた内容について、前年度に倣って下記の5項目に分類することにした。分類が適切でないものが含まれるかもしれないがご容赦頂きたい。また、類似の記述はまとめたが、意見・要望については文責者が簡略化すべきではないと判断したものについてはそのまま記載した。(1)学生アンケートと授業改善メモに関して●中間アンケートはよいと思う。その時点での学生の反応が分かる。●自分の授業を振り返る機会になると思う。●中間アンケートには、自己の弱点、教えてほしいところ、要望等を素直に書かせて、それらに基づいて、授業の修正をするようにしている。●学生との意見交換が必要と感じているので、中間アンケートは役立っている。●質問Q2-Q15(14項目)のうち、能動学修(アクティブ・ラーニング)に係る、学習者の自己評価=Q10の1つのみ。他=教員&授業評価。明らかに学習者の自律性Learner autonomyと自己調整学習self-regulated learningのパフォーマンスはどうであったか、自己検証させる情報(質問)が足りない。これでは自己省察(反省的実践家)=アクティブ・ラーニングの基底部分を育成することができない。●毎回、このアンケート自体に根本的な疑問をもっている。手抜きの授業を教員にさせないために、一定程度の緊張感を与えるには良いと思う。だが、(中略)教員が真面目にやっても、難し過ぎて満足度の低いこともあれば、教員が手抜きで、DVD再生と精神論だけでも、全く中身がない講義に高評価をすることもある。●学生が喜ぶ講義と教育機関として施すべき教育は異なるものであると思う。安易にアンケート結果にひきずられるのではなく、今後も教育者としての良心に基づいた教育をしていきたい。●学生の評価が高い講義が良い講義な訳ではない。このようなアンケートなどを推し進めれば、教員は自衛手段として学生に媚びる講義をするようになるだろう。(2)組織的取組による教育改善の提案●平成25年度に実施した共通教育改革については大変結構と思う。長期にわたってみると、授業の担当者が替わり、新しい授業が開設されていく。この過程で共通教育の目標や位置づけが少しずつですが変わってくる。それをこのような形で理念も実態も再検討され前進されるのは良いことだと考える。●初修外国語の位置づけについて、①実際に使える②日本とは異なる発想法、文化等を知る。①②両立が理想であるがなかなか難しい。どこに重点を置くかでクラスの規模も異なると思う。①に重点を置くなら、可能な限り少人数で、②ならそれなりの人数でも構わない、など。●都合の良い仮定だけで組み立てた理論で「改革」を行っても、実際におきることは理論通りとは限らない。結果まったくの逆効果となることもしばしばある。(中略)本学におけるFDのとりくみの必要性は理解するし勿論協力もするが、(たとえばアンケート結果の用い方等を含めさまざまな面において)今後も充分慎重かつ抑制的であって頂きたいと思う。●科学英語(理)で扱った内容を何故大学に入学してからすぐに教授されなかったのか。そのために「学習ガイド」とか「生活ガイド」みたいなものを作成したり講習会を開いたりするのが適切な対応かと思う。●本気で英語運用能力を高めるためには、集中的に学習できるような時間割・語学研修の設定など、語学教育の抜本的な改革が必要であろう。●学生の評価を高めたかったら、簡単な内容のみを講義し皆に単位を出せば良いだけである。このままでは、大学の講義が講義ではなく“単位をあげるための儀式”程度しか意味がなくなってしまうように思う。鹿児島大のアンケートや共通教育改革にはこれらの視点が欠落しており、意味のあるものにはなっていないと感じる。FDや“改革”など世の中の流れと対外アピールとして行う必要は理解するが、極力影響のないように配慮して頂きたい。

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