鹿児島大学FD報告書(平成27年度)
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1. 概要授業アンケートの結果をどう授業に活かすか平成27年12月11日(金)16:10~19:10郡元キャンパス 学習交流プラザ2階 学習交流ホール40人(学生10人、教員24人、職員6人)教育に関心のある学生、教育に関わっている教職員学生…各学部より推薦を受けた学生、自主参加希望者教員…各学部、学共施設等の学生教育に関わっている教員、教務委員、FD委員職員…各学部学生系職員、学生部職員 今回のワークショップでは、鹿児島大学で行われている「授業評価アンケート」の活用について、現状と問題点を理解し、学生の意見を活かした授業改善を組織としてどう行っていくのかを具体化する方策を考えることを想定して開かれました。 清原貞夫FD委員会委員長(教育担当理事)の開会挨拶に続いて行われた富原一哉FD委員による講演「授業評価アンケートの現状」では、授業アンケートは外的な要因から2004年以降、ほとんどの大学で実施されるようになったという経緯はあるものの、多くの労力と経費をかけて実施するからには授業改善に有効利用し、教職員・学生が共に幸せになれる方策を考えることが大事であり、それを踏まえた組織的な取り組みをいかに実現するかを論じるのが今回のワークショップの意義である旨が述べられました。 続く、山形大学地域教育文化学部教授の小田隆治先生の事例紹介「山形大学の授業改善アンケートの実践と再考」では、山形大学で行ってきた授業アンケートとその利用についての紹介がなされ、授業改善のツールとしての利用に限定することが必須であり、実施に当たっては労力・経費の両面での費用対効果比も意識すること、集計と公表が重要であること、自助努力に帰着する個の取り組みと同様にそれを支援する組織的な取り組みも必要であることが指摘されました。一方、活用方法には校風の違いや状況の違いがあるので、無批判に他大学の例を実施したりせず各大学での良心的な検討と実施が必要との点も指摘されました。現状からの脱却には、効果的な授業を行っている教員との授業技術共有や授業改善が上手くいかない場合の支援など組織的な取り組みこそが重要であり、個別教員に対する懲罰的な発想を持つのは間違っていると感じました。 その後、参加者は5班に分かれ、事前に割り当てられた①“授業改善に繋がる「授業評価アンケート」制度とは”②“「授業評価アンケート」をどのように教育改善に利用するか”という2テーマを中心に討議を行いました。 班での討議の結果、授業アンケートの実施時期を学期の半ばにすべきであり、学生へのフィードバックを早い時期に行うことが複数の班から提言されました。さらに、その前提として教職員と学生との間に入学後、できるだけ早期に信頼関係を築くことの重要性も指摘されました。また、上手い授業のノウハウを教員団で共有するという考え方を持ち、全教員の授業能力の向上に活かせるような組織的な仕組みを作ることなども提言され、その意義が感じられるアンケート項目の例も提言されていました。学生・教職員ワークショップテーマ日  時参加者対象者場  所13

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