鹿児島大学FD報告書平成31年度
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12鹿児島大学FD報告書4.4. グループ・ディスカッション 休憩後、グループごとにディスカッションが行われた。グループは、所属する高等教育機関が偏らないよう、また、教職員が混在するよう構成された。 グループ活動は、高等教育研究開発センターの高丸助教のファシリテーションのもと、ワークシートに従って進められた。まずは、自身の現在の立場や業務を通じて学生とどのようなかかわりを持っているかを振り返った。立場によっては直接的な学生との接触がない場合もあるものの、間接的には必ず何らかのかかわりはあるはずである。そのことを改めて考えてみることが促された。参加者は限られた時間の中でいくらか戸惑いつつも、非常に積極的に取り組んでいる様子が見られた。その様子から、学生のキャリア形成支援について、自分には何ができるか、何をすべきかを考えたいという思いを強く持っていることが垣間見えた。 その後のディスカッションは、いずれのグループにおいても非常に活発に行われた。学生調査から「やりたいことが見つからない」「将来が不安だ」を考えている学生が一定数要ることが判明したという場面設定を受け、こうした学生たちに対して何をしていくかを参加者個人として、また、グループ全体として考えた。それぞれ異なる機関に所属し、異なる立場や業務で学生と関わるものが各々の立場や業務を踏まえつつ何ができるかを考えることを通じて、学生のキャリア形成支援について何ができるかだけでなく、自身の業務の在り方そのものをも考え直す機会となったのではないだろうか。ディスカッションの内容については、最後に家島氏の推薦を受けた3つのグループから発表が行われた。 本企画は、県内高等教育機関に所属する教職員が共通して抱える1つのテーマについてそれぞれの立場を踏まえつつもともに考え、アイディアを得ることを重視している。しかし、それだけでは実際の改善にはつながらないため、参加者がここで得られた知見を各機関に持ち帰り、改めて所属機関の学生を想定してこの課題について考え、具体的な行動を進めていくことが肝要である。言い換えれば、本企画は各機関に対して、学生のキャリア形成支援をより良いものにしていくための機会を提供したに過ぎない。本企画が、各機関における学生のキャリア形成支援をより適切・的確なものにしていく契機となれば幸いである。(文責:伊藤 奈賀子)

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