15 第31号は、坂巻祥孝教授(農学部農学科)と、木山良二准教授(医学部保健学科)に、それぞれ執筆いただいた。 坂巻先生の授業は、学生からも「先生が楽しそうに話す姿が印象的だった」とのコメントが寄せられていた通り、教員自身が楽しんで授業や研究に取り組んでいる姿を示している点に大きな特徴がある。しかし、決して楽しさだけを追究しているわけではなく、授業運営上は学生が十分な学びを得られるよう、様々な工夫がなされていることがFDガイドにも明確に示されており、他教員が専門分野を超えて参考にできる知見が多々ある。特に、学生を学びに集中させるための工夫が授業の事前準備から授業当日に至るまで積み重ねられており、効果的な授業設計を考えるうえで大いに参考になる。 木山先生については、理学療法士養成を主目的とした授業という点では特殊性があるものの、知識と実際の体の動き、知識と現場、知識と問題が生じた場面など、常に知識を知識のままで終わらせることなく、知識を踏まえた学びを促す配慮が重ねられている点で他分野にも共通性がある。大学での学びを机上のものにとどめない授業設計・授業運営として参考にできる点は多い。例えば、他の学生に学習内容について説明する機会を設けることにより、学生は自身が得た知識を整理して要点を押さえ直すことができる。そして、より分かりやすく説明するために構成や言葉の使い方について考えることもでき、知識の修得にとどまらない様々な能力育成につながる。 こうした学習活動を積極的に取り入れることで、学生はより能動的に学ぶことが可能になり、高い学習成果を得ることもできよう。FDガイド第31号(表)FDガイド第31号(裏)3.第31号「ベストティーチャーに聴く授業の工夫⑪」
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