16(文責:伊藤 奈賀子)鹿児島大学FD報告書 第32号は、■尾祐志助教(共同獣医学部共同獣医学科)に執筆いただいた。また、本学で2018年度にベストティーチャー賞制度が設けられて以降、受賞された先生方の多くに共通して見られる特徴について整理した内容となっている。 ■尾先生の授業に関する工夫は、分野を問わず授業開発・授業改善の基本が確実に抑えられており、分野を問わず共通して参考にできる点ばかりである。担当科目は解剖学に関するものであり、一見するとかなり特殊で他分野の授業とは違いが大きいように思われる。しかし、重要であることを学生にしっかり修得させるための工夫には一定の汎用性があることが示されている。 ■尾先生の授業運営のポイントは、常に意識を学生に向けている点である。学生の顔を見て授業を行い、質問には丁寧に答え、学生からのアイデアを積極的に取り入れることが示されていることから、この点は明らかである。特に学生のアイデアを取り入れることについては、自分が確立してきた授業運営方法を変えることであり、教員にとってハードルが高い。しかし、授業アンケートでの学生の声に積極的に応える形で改善を図ることで思いがけない効果が得られたという。授業アンケートについては、近年形骸化の懸念が示されており、その活用方法の再検討が求められている。ただ、現行のままでも授業改善に活かせる情報を得ることは一定程度可能であり、そうした点からも参考にできる。FDガイド第32号(表)FDガイド第32号(裏)ティーチャー賞を振り返って」4.第32号「ベストティ―チャーに聴く授業の工夫⑫/これまでのベスト
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