役員

研究・国際担当理事

馬場 昌範

ウイルス感染症に対する治療薬や治療法の研究と開発

バイオセーフティレベル3 (BSL3) 感染実験室を使った最先端の研究

BSL3感染実験室での実験の様子

 ウイルスを用いた感染実験は通常の実験室ではできません。使うウイルスの危険度によって,使用する感染実験室の設備の基準が定められています。基準は最も緩やかなレベル1から最も厳しいレベル4となっています。
 例えば,史上最強のウイルスと言われている「エボラウイルス(※1)」を用いた実験はレベル4の感染実験室で行わなくてはなりません。レベル4の感染実験室は国内では国立感染症研究所に設置されています。レベル3の感染実験室は多くの大学や研究機関に設置されており,鹿児島大学では私が所属する難治ウイルス病態制御研究センター (桜ヶ丘キャンパス) と,共同獣医学部附属越境性動物疾病制御研究センター (郡元キャンパス) に設置されています。
 私の研究室では,この実験室を使って,エイズウイルス (HIV-1(※2)) や重症熱性血小板減少症候群ウイルス (SFTSV(※3)) の感染実験を行っています。 エイズは,いろいろな種類のお薬がそろったことから,現在では「不治の病」から「コントロール可能な慢性疾患」となりました。しかし,お薬の服用を止めると再発してしまうことから,今は世界中の研究者が「エイズを根本的に治す方法」について研究しており,私の研究室でも准教授を中心にこのテーマに取り組んでいます。

ウイルス感染症の研究による地域への貢献

SFTSV 感染細胞の顕微鏡写真 (免疫染色像)

 鹿児島大学は地域に貢献する大学を目指しています。
 「ウイルスの研究と地域貢献の間に,どのようなつながりがあるの?」と皆さんは疑問に思われるかも知れませんが,実は深い関係があるのです。HTLV-1(※4)というウイルスがあります。HTLV-1 に感染すると,ある割合で ATL という致死的な血液のがん (白血病) や HAM という難病の神経疾患を発症します。この HTLV-1 に感染している人の割合が全国で最も多いのが鹿児島です。 そこで,当センターでは,ATL や HAM の予防や治療の研究に取り組んでいます。私の研究室でも ATL に対する治療薬の研究を行っており,新しい薬剤を発見しています。また,上で述べた SFTSV の感染者数も全国で宮崎県が1位,山口県が2位,鹿児島県が3位となっています。これはマダニに咬まれることにより感染し,そのうちの 10-30% が発症し死に至るという,非常に恐ろしい病気です。そこで,私の研究室では,BSL3 感染実験室があることを利用して,このウイルス感染症に対する治療薬の研究をしています。最近,アモジアキン(※5)と呼ばれるマラリアのお薬が SFTSV の増殖を抑えることを見出しました。

用語解説

(※1)致死率が 50-80% に達するエボラ出血熱を引き起こすウイルス。最近では 2014 年に西アフリカで流行が起こり,11,000 人以上が死亡した。
(※2)エイズの原因となるウイルス。人体の免疫を制御する T リンパ球に感染し破壊するので,感染者は免疫不全に陥り,死亡する。現在,世界での感染者は 3,500 万人以上と言われている。
(※3)致死率の高い重症熱性血小板減少症候群 (SFTS) の原因となるウイルスで,主に中国,韓国,日本に分布する。マダニによってヒトに感染し,消化器症状,神経症状,出血などを引き起こす。
(※4)ヒト T 細胞白血病ウイルス 1 型。ヒトに白血病を引き起こすウイルスとして,1980 年に発見された。全国で約 108 万人がこのウイルスに感染していると言われており,特に鹿児島に多い。
(※5)アーテスネートと呼ばれる薬剤と一緒に,マラリアに対する治療薬として用いられている。最近,アモジアキンは抗エボラウイルス効果を有することが報告されている。

Profile

役員

研究・国際担当理事

馬場 昌範

1984年福島県立医科大学大学院医学研究科修了(医学博士)。1986年ベルギー国ルーバン大学レガ医学研究所留学。1992年福島県立医科大学助教授。1994年鹿児島大学医学部教授。その後,組織改編などを経て現在に至る。2017年~2018年鹿児島大学副学長(国際企画推進担当)を併任。2019年4月より、研究・国際担当理事、副学長に就任。2013年国際抗ウイルス学会「エリオン賞」,2014年日本エイズ学会「シミック賞」,2016年「南日本文化賞(医療福祉部門)」などを受賞。

学生(受験生)へのメッセージ

 私は医学部を卒業後,内科の臨床医になりましたが,縁があって 1986 年にベルギー国ルーバン大学医学部へ留学しました。そこで,当時「不治の病」であったエイズの患者さんに出会い,エイズに対するお薬の研究を始めました。当時は HIV-1 のことが良く分かっておらず,試行錯誤を繰り返し,(危険を覚悟で) HIV-1 の培養を行っていました。その時に学んだことは,「何事も熱意を持って真剣にチャレンジすれば,道は開ける。」ということです。その時から 30 年経ちましたが,今も全く同じ気持ちで SFTSV の研究にチャレンジしています。

他の研究者

農学部附属焼酎・発酵学教育研究センター

准教授

吉﨑 由美子

共通教育センター外国語教育部門

講師

二村 淳子

共通教育センター初年次教育・教養教育部門

准教授

今井 裕

高等教育研究開発センター

助教

森 裕生

農学部 食料生命科学科

准教授

池永 誠

鹿児島大学病院 心臓血管内科

講師

窪田 佳代子

医学部 医学科脳神経内科・老年病学

助教

﨑山 佑介

法文学部 人文学科

准教授

多田 蔵人

医学部 発生発達成育学講座小児科学

准教授

岡本 康裕

医学部 医学科

教授

桑木 共之

教育学部 技術科

准教授

浅野 陽樹

教育学部 学校教育教員養成課程(心理学)

准教授

島 義弘

工学部 先進工学科(情報・生体工学プログラム)

助教

岡村 純也

工学部 先進工学科(化学生命工学プログラム)

助教

新地 浩之

工学系 建築学専攻

准教授

鷹野 敦

教育学部 教育学科

准教授

髙谷 哲也

医学部 医学科

講師

柏谷 英樹

工学部 先進工学科(電気電子工学プログラム)

准教授

渡邉 俊夫

工学部 先進工学科(化学工学プログラム)

教授

武井 孝行

工学部 先進工学科(機械工学プログラム)

教授

片野田 洋

法文学部 人文学科心理学コース

准教授

榊原 良太

法文学部 法経社会学科

准教授

酒井 佑輔

歯学部 歯科生体材料学

講師

河野 博史

歯学部 小児歯科学

准教授

岩﨑 智憲

歯学部 歯科矯正学

教授

宮脇 正一

鹿児島大学病院 発達系歯科センター 口腔保健科

助教

藤島 慶

共同獣医学部附属動物病院

助教

岩永 朋子

共同獣医学部 獣医学科

教授

田仲 哲也

共同獣医学部 獣医学科

教授

帆保 誠二

水産学部 水産学科

准教授

田角 聡志

水産学部 食品生命科学分野

准教授

内匠 正太

理学部 理学科(化学プログラム)

准教授

児玉谷 仁

理学部 理学科(数理情報科学プログラム)

准教授

松本 詔

法文学部 法経社会学科

准教授

上原 大祐

理学部 物理科学科

准教授

永山 貴宏

農学部 農業生産科学科

教授

後藤 貴文

工学部 環境化学プロセス工学科

教授

二井 晋

理学部 物理科学科

教授

小山 佳一

共同獣医学部 共同獣医学科

教授

三浦 直樹

国際島嶼教育研究センター

教授

高宮 広土

医学部 腫瘍学講座分子腫瘍学分野

准教授

河原 康一

国際島嶼教育研究センター

准教授

山本 宗立

グローバルセンター

講師

市島 佑起子

共通教育センター

准教授

藤田 志歩

共通教育センター

准教授

鄭 芝淑

臨床心理学研究科

教授

稲谷 ふみ枝

歯学部 口腔顎顔面補綴学分野

教授

西村 正宏

医学部 保健学科 理学療法学専攻

教授

牧迫 飛雄馬

水産学部 水産学科

教授

小松 正治

水産学部 水産学科

助教

遠藤 光

農学部 農林環境科学科

准教授

鵜川 信

農学部 食料生命科学科

講師

加治屋 勝子

農学部 農業生産科学科

教授

坂上 潤一

工学部 化学生命工学科

教授

門川 淳一

工学部 電気電子工学科

准教授

奥田 哲治

工学部 機械工学科

教授

松﨑 健一郎

理学部 生命化学科

教授

内海 俊樹

教育学部 保健体育教育

講師

與儀 幸朝

教育学部 数学教育

准教授

和田 信哉

法文学部 法経社会学科

准教授

農中 至

教育学部 家政教育

准教授

黒光 貴峰

高等教育研究開発センター

准教授

伊藤 奈賀子

教育学部 美術教育

教授

桶田 洋明

法文学部 人文学科 心理学コース 

准教授

山﨑 真理子

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