導入の目的
鹿児島大学では、「学びたい力」(鹿児島大学への入学を強く希望する者)、および「学ぶ力」(大学の授業を受講できるレディネス*)を持った人材を求めていることから、2020年度入試より新たな多面的総合的評価入試である「自己推薦型選抜」を新設しました。(*レディネスとは、学問の修得や学修には、一定レベルの知識・経験、心身の成熟などの素地が必要であり、これらの条件のことをいう)
鹿児島大学では現在、教育改革を推進しており、中でも入試改革は、学位の質保証のために必要な教育改革の一環と位置づけています。「自己推薦型選抜」の新設により、入試を起点として、目標達成型・体系的一貫教育における初年次教育への円滑な接続を目指しています。
「学びたい力」(鹿児島大学への入学を強く希望する者)に関しては、現役生や既卒生を対象とし、また、推薦入試に見られるような一高校からの人数制限枠等を設けず、鹿児島大学を第一志望とする受験生が、自らの意思で自由に出願できるようにしています。
「学ぶ力」(大学の授業を受講できるレディネス)については、個別試験として講義型試験を実施します。講義型試験では、①講義を主体的に聴いて要点を「キャッチ(思考・判断・理解)」し、②キャッチした要点を「メモ」し、③出題された設問等に文章で的確に表現する能力を評価します。
一般選抜の前期日程で主に知識・技能、思考力を、後期日程で主に思考力、意欲・関心、適性を重視していることに対して、自己推薦型選抜では、思考力、判断力、表現力、主体性を特に重視しています。
講義型試験では、大学入学後の授業(初年次教育)の導入段階での「学ぶ力」の形成力を確認することが目的であることから、必ずしも高等学校における各教科・科目の高度な専門知識を前提とせずとも、講義内容を理解できるように配慮し、志願する学部・学科等に関わらず同一の内容とします。
導入する学部・学科等
法文学部人文学科(多元地域文化コース)、理学部理学科(全プログラム)、医学部保健学科(看護学専攻)、歯学部歯学科、工学部建築学科、農学部農学科・国際食料資源学特別コース、水産学部(国際食料資源学特別コース)、共同獣医学部共同獣医学科・畜産学科
選抜方法
大学入学共通テストの成績、講義型試験、および出願書類・面接試験等の結果を総合して合格者を決定します。
講義型試験では、まず、高等学校の1コマの平均的な時間の範囲内で講義を聴講し、その間、講義内容をメモするなどして理解を深めます。その後、講義内容に関連した設問に解答する形式とします。