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2026.01.29

【鹿大生にインタビュー】理系の世界って面白い!学生が語る研究室ライフ

高校生の皆さん、こんにちは!

突然ですが、皆さんは大学での学びに対してどんなイメージを持っていますか?進路を考える中で、「大学の勉強って難しそう」「どんなふうに学ぶのか想像がつかない…」と思っている人、多いのではないでしょうか。

でも実は、大学での学びは自分の興味を追求することができる、とても楽しいものなんです!

今回は理系の「研究室」に注目して、研究室とはどんなものなのか、3人の大学生にインタビューしてみました✨

前回は法文学部のゼミについて紹介しているので、気になる人はそちらも覗いてみてください👀


高次脳機能障害研究室(医学部保健学科)

👩保健学科作業療法学専攻3年 Yさん

①研究室のテーマ・活動内容

脳血管障害などによって生じる高次脳機能障害とその認知リハビリテーション(作業療法を中心に)について研究しています。また、高次脳機能障害のある方に作業療法を実施することで、どのような効果が得られるのかについても調査しています。

②実際にどんな研究・実験をしているか

先行研究(他の研究者が既に発表している論文)を検索・精読し、高次脳機能障害の種類、それらの評価方法および認知リハビリテーション(作業療法を中心に)について調査しています。特に、高次脳機能障害のある方に認知リハビリテーション(作業療法を中心に)を実施することで、高次脳機能(認知機能)や日常生活動作の改善を客観的に示す方法に興味を持ち、研究を進めています。

③研究に対する興味や面白さ

研究の中で面白いと感じた瞬間は、先行研究(ほかの研究者が既に発表している論文)を読み進める中で、自分が抱いた疑問が言語化されていたり、逆に、まだ十分に検討されていない視点に気付いたりしたときです。また、テーマを具体化していく過程で漠然としていた関心が研究目的として整理され「なぜこの研究を行うのか」が明確になった瞬間にも面白さを感じました。さらに、患者と作業療法士の関わり方や視点が、結果や考察として形になり、学習と臨床・研究が結びついてきたと実感できたときに、作業療法の意義や奥深さを感じました。

④研究室を経験して、大学の学びの印象がどう変化したか

研究室を経験したことで、大学での学びに対する印象が大きく変わりました。これまでは、授業で与えられた知識を理解し覚えることが中心でしたが、研究室では自ら問いを立て、その問いに対して文献を調べ、自分なりに考察し、考えを深めていく必要がありました。その過程を通して、知識は単に身に付けるものではなく、臨床(患者さんに直接接して診察・治療を行うこと)や研究の中で活用し、意味づけていくものだと感じるようになりました。また、教員との議論を通して、多角的な視点で物事を捉えることを学び、大学での学びがより主体的で深いものへと変化しました。

そして、研究で最も大変だったのはテーマ選びでした。脳卒中や作業療法に関心はあったものの、興味のある分野が幅広く、どの視点に焦点を当てるべきか決めるまでに時間がかかりました。さらに、興味だけでテーマを決めるのではなく、研究として実施可能かどうか、データ収集や倫理的配慮の観点からも検討する必要があり、その調整に難しさを感じました。指導教員との相談を重ねる中で、関心と現実性の両立の重要性を学び、研究計画を具体化していく過程そのものが大きな学びになったと感じています。

⑤高校生に伝えたいこと

大学での学びは、正解を覚えることよりも、「なぜだろう」と自分で考え続けることが大切だと感じています。最初は、自分の興味や、やりたいことがはっきり見えていなくても、授業や実習・研究を通して少しずつ見えてくるものがあります。分からないことや迷う時間もあるかもしれませんが、それも学びの一部だと思います。大学では、自分で問いを立て、考え、他者と意見を交換しながら、学びを深めていきます。今は不安があることが当たり前で、そうした気持ちがあっても大丈夫です。ぜひ、興味を持ったことに一歩踏み出してみてください。その経験が、将来につながる大切な学びになると思います。

メディア情報工学研究室 (大学院理工学研究科情報科学専攻)

👨大学院理工学研究科情報科学プログラム 修士1年 Kさん

①研究室のテーマ・活動内容

私の卒業研究のテーマは、「日本語処理モデルを対象とした敵対的攻撃に対する防御」です。研究室のテーマとしては、最適化を用いた介護士スケジューリングや機械学習モデルの脆弱性検証、歪んだQRコード復号方式の提案などがあります。最近は企業の共同研究で、作業員の行動解析モデルの構築、医学部との共同研究で医師の手術スキルを定量化(具体的な数字や数値で表すこと)するモデルの構築などにも取り組んでいます。

日本語処理モデル:日本語の文章を任意のカテゴリに分類できるAI

敵対的攻撃:モデルの脆弱性を検証するために色々な分野(画像、音声、言語)で行われているもので、メジャーな攻撃方法として入力データにノイズを含める方式がある

②実際にどんな研究・実験をしているか

私の研究では、モデルに与える入力文のうち、いくつかの単語を同義語や対義語で置き換える攻撃方式があります。例えば「私はこの”映画”がとても好きです」という文章を「私はこの”ムービー”がとても好きです」と、一部の単語を置き換えます。この攻撃を、文章をポジティブかネガティブに分類するモデルに対して行います。どちらもポジティブな文章に見えますが、モデルは微小な変更に悪影響を受けてしまい、変更後の文章をネガティブと誤分類してしまうことがあります。

この敵対的攻撃は、モデルの脆弱性を検証することを目的として広く行われており、私が所属する研究室でも取り組んでいます。この研究の一番わかりやすいと思う例としては、不適切コメントの対策があります。

某ニュースサイトでは、コメント欄が解放されており、誰でも任意のニュース記事に対してコメントすることができます。ここでは、様々な表現がコメントに使われているかと思います。本来は検出したい不適切なコメントが、学習データにない表現が用いられることで突破されてしまう、といったことが起こり得てしまいます。こうした誤作動を防ぐことを目的として、防御の研究に取り組んでいます。

③研究に対する興味や面白さ

自然言語処理に興味を持ったのは、大学に入る前の短期大学在学時です。そこでの卒業研究にて、Word2Vecという、単語をベクトル(数値の並び)に変換する技術を知りました。この技術を使うことで、コンピューターは単語を単なる記号としてではなく、意味として捉えることができます。Word2Vecでできることの一例を紹介します。

「王様ー男性+女性=」

この計算式をモデルに与えると答えは何になるでしょう?答えは”女王”です。確かにそんな感じがしませんか?

このような技術に短大で触れ、「コンピューターが言葉を理解している!」と感じたことが自然言語処理、ひいては言語モデルに興味を持ったきっかけです。

④研究室を経験して、自分の研究分野に対する印象がどう変化したか

自然言語処理に対する思いの変化としては、AIと言語の関係をより意識するようになりました。自分の研究の場合は日本語を対象としているので、日本語の特性とはなんだ?他の言語とは何がどう違うのか?など、いわゆるドメイン知識(特定の分野や領域に関する専門的な知識)を身に付けられるように取り組みました。AIの専門家、日本語の専門家といえるレベルにはまだほど遠いですが、そうなれるように頑張りたいと思っています。

⑤高校生に伝えたいこと

今は視野を広く、なんでも吸収するぞという姿勢で色々なことに興味を持って調べてみてください!そういう意味で言うと、教授たちが取り組んでいる専門や研究テーマを見てみると面白いと思います。その中でも自然言語処理は色々な分野に応用できる技術だと思ってるので、興味を持ってもらえると嬉しいです。頑張ってください!

水圏植物学研究室(水産学部水産学科)

👨水産学部水圏科学分野4年 Kさん

①研究室のテーマ・活動内容

水圏植物学研究室(海藻研)では、海藻や海草についての研究をしています。海藻や海草の分類、分布、化学特性、環境応答に加えて、海藻を摂食する植食性魚類やウニなどの研究まで行っています。

        

実際にどんな研究・実験をしているか

私の卒論は、鹿児島県与次郎沿岸(長水路の外側)における植食性魚類ブダイの摂食活動の季節変化についてです。与次郎沿岸のブダイについては、秋-春にかけて海藻に対する摂食圧(摂食する量と回数)が変化していくことが先行研究で分かっていたのですが、この先行研究では1地点でしかビデオ撮影をしていなかったため、Rなどを使っての統計解析が出来ませんでした。そこで本研究では3地点での撮影を行い、統計解析も行ってこの現象を証明しました。また、ブダイの日周行動(約24時間周期で繰り返す、規則的な行動パターン)が季節により変化することも示唆されました。

⬆️こちらは、研究で移植する「ヤツマタモク」という名前の海藻だそうです

②研究に対する興味や面白さ

はじめは、海藻そのものよりは、海藻を食べる動物であるウミガメに興味がありました。ウミガメの保全活動をしていたことがあるのですが、そこで、現在ウミガメによる海藻の食害が問題になっていることを知りました。そこで、海藻を食べる植食動物を対象にした調査、研究を行っている水圏植物学研究室を選びました。

また、鹿児島大学水産学部は全国的にも珍しい水産学全般を学ぶことができる学部になっています。魚類から海藻の生理、生態のようなみんなが想像するようなものから、養殖や魚病、漁業機材の開発、漁業者を取り巻く経済活動まで学ぶことができます。このように包括的に水産を学ぶことができるのは強みなのではないかと思います。

水圏植物学研究室では海藻の生理生態(環境の中で生きるための仕組みと、その生活様式)や分布などから海藻を取り巻く環境(植食性動物)のことまで研究しているので、海藻そのものだけでなく、他の動物の生態まで学ぶことができるのは大きな魅力だと感じています。

③研究室を経験して、大学の学びの印象がどう変化したか

研究室配属前と配属後で変化した水圏植物学に対する知識や関心について、今まで講義などでも藻類学に触れてきていたのですが、いまいちピンときておらず、それは配属されてしばらくはそのままだったように記憶してます。しかし、実際にフィールドに出て調査を行い、自分で研究を進めていく中で面白さを見出すことができました。前は、全く頭に入ってこなかった先輩の英語論文の紹介がだんだん頭に入ってくるようになってきて楽しさを感じてます(笑)

④高校生に伝えたいこと

鹿児島はフィールドとしてはとてもいい環境だと思います。まず大学からすぐ近くに海があったり少し船に乗れば離島があったりします。他大学の友人もいますが、そんなフィールドは他の水産学だったり、海洋学を学べたりする大学でも少ないと思います。自分は元々第一志望ではありませんでしたが、自分の興味がウミガメであることを考えたら第一志望にしておくべきでした。(ウミガメの上陸産卵数は鹿児島が第一位)なので、もし水産に興味を持っているのであれば、自分がその中でもどこに興味があるのかを考えて大学を選ぶといいと思います。例えば、鯨についてやりたいなら鹿児島大以外の大学になっちゃいます。


いかがでしたか?

高校でも探究活動をすることもありますが、大学での研究はより専門的で、徹底的に興味を追求することができます。大学ならではの学びを通して、新しい発見や成長を実感できるはずです✨この記事が、大学での学びをイメージするきっかけとなり、大学受験や進路を考える皆さんの役に立てたら嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

Written by

ゆうか
編集部|鹿児島出身|音楽を聴くのが大好きです✨

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ゆう
大学4年生