かごしまCOCセンター

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対応可能な地域課題と研究手法

27 エネルギー

【課題キーワード】
再生可能エネルギー、バイオマス、林業

 鹿児島の重要な地域資源である再生可能エネルギーの利活用を推進し、地域産業の振興に貢献する。バイオマスエネルギーのうち森林系、木質系バイオマスを専門としている。森林系の資源量把握や利用可能量の推計などの実績がある。バイオマス燃料供給のための林業生産の推進も専門分野である。畜糞など廃棄物系バイオマスについてもある程度の対応は可能である。太陽光発電や風力発電は、設置場所の立地条件等についてある程度の知見はある。

 

44 エネルギー

【課題キーワード】
潮流発電、潮流パワーポテンシャル

 鹿児島県は潮流が非常に強い海峡や瀬戸を多数有し、潮流のエネルギーポテンシャルが豊富である。本研究では、現場観測と数値計算を用いて、潮流発電に利用可能な潮流エネルギーを算定することや、発電装置を設置した場合に周囲の流れ場に与える影響を評価することが可能である。

 

1 環境

【課題キーワード】
海洋バイオマス、富栄養化 、環境微生物、水質 、底質 、赤潮、 環境改善、 細菌、 ウイルス、 ラン藻 、ピコプランクトン 、 遺伝子、 生態学、 分子生物学、 スピルリナ、 光合成細菌、 BDF、 海洋深層水、プロバイオチック、重油分解細菌

 赤潮やアオコなど富栄養化に伴う環境変化の動態解析と改善手法を研究中である。研究手法は物理化学的な計測とともに、分子生物学的手法を中心に展開中である。また、微生物学の見地から、海洋バイオマス生産やプロバイオチックとともに、食品生産現場に於ける微生物制御にも取り組んでいる。

 

10 環境

【課題キーワード】
沿岸環境、環境保全、藻場、藻場造成、絶滅危惧種、水産資源

 鹿児島県の沿岸域は温帯と亜熱帯生物相の推移帯(エコトーン)にあり、海洋生物と環境は多様性に富んでいる。しかし、沿岸域の生態系を支える藻場(海藻・海草の群落)の衰退やサンゴの白化など、沿岸生態系を取り巻く環境は深刻な問題を抱えている。地域が抱える沿岸域の環境問題や藻場の再生、水産資源の持続的な利用などについて、科学的知見を基に提言を行っている。絶滅危惧種については、環境省の分科会(植物II)委員として評価・選定等の活動を行っている。

 

25 環境

【課題キーワード】
ゲットウ、コンポスト、給食残飯、栽培

 様々な環境問題を背景に物質の地域内循環が強く求められており、学校教育においても残食のコンポスト化による環境教育が推進されている。本研究では、1学期に残食のコンポスト化、2学期に同コンポストを用いた作物栽培、3学期に同作物を食す一連の学習(総合学習)に貢献できる。また、与論町をはじめとする離島地域に自生しているゲットウのコンポスト化基材としての利用法など、ゲットウ葉の利用拡大にも貢献できる。

 

29 環境

【課題キーワード】
水質汚染、化学物質、生物試験、水質分析

 産業活動に用いる種々の化学物質の水環境に対する影響は、水質分析などの化学分析による方法が主であるが、生物に対する影響も注目されており、我々が維持している淡水、海水の生物を用いて、それらの影響を明らかにすることができる。これらの一連の活動により、鹿児島の水環境保全に貢献することが可能である。

 

63 環境

【課題キーワード】
水質,水害,沿岸海域,湖沼,河川

 水域(沿岸海域,湖沼,河川)の水質環境や流れについて研究を行っていますが,実際のデータは特に貴重ですので,サンプル取得にご協力いただければ,できるだけ問題解決に協力したいと考えています.「近くの水域の水質が最近悪くなったと感じており,実際どうなっているか知りたい自治体の方」,「本当は河川の観測地点を増やしたいが予算の都合でそれがままならない自治体の方」がいらっしゃれば,まずはご相談下さい.

 

51 環境

【課題キーワード】
人間ー自然関係,地域おこし,野外教育,故郷

 九州島の一部と島嶼部からなる鹿児島県には多様な自然環境がみられる.地域の把握を主目的とする地理学は,人間―自然関係に着目しそれぞれの土地の個性を記述する.人口減少時代に突入し担い手不足が蔓延するなか,工夫を重ねて地域おこしを行っている地域社会も存在する.現地で実際に活動することで大いに学べる野外教育を活かし,かつ世界認識の根幹となっている故郷を意識化することで,我がまちの魅力を一緒に再発見しよう.

 

22 観光

【課題キーワード】
人文地理学、農山村漁村地域、観光地、フィールド調査、 地域情報のデータベース化、地域(観光)資源の分布と再評価、 GIS(地理情報システム)などによる地図化、 地域づくり(まちづくり、地域再生)

 「南九州におけるシラスや島嶼を舞台とした人間生活と地域システムに関する地誌学的研究―地域観光資源の再発見・再評価―」  南九州に位置する鹿児島県は、南北約600kmの間にシラスや島嶼などを舞台に特徴ある人間生活と地域システムを構築してきた。現在、鹿児島県内には、自然・文化・観光・産業などの面において、多種多様で豊富な地域資源が分布している。  本研究では、鹿児島県内に散在する地域資源について、各自治体と連携してフィールド調査を行い、第三者の立場から地域観光資源のデータベース化とその再評価を行うことを目的としている。鹿児島県の地域づくり(まちづくり、地域振興)の基礎資料づくりに貢献することが可能である。

 

45 観光

【課題キーワード】
コミュニティビジネス、地域開発、ベンチャー起業 

  経営学から、商工業振興について、経済団体の依頼を受けて指導してきた。また、自治体との共同研究については、人文社会科学研究科地域経営センターとして、錦江町のプランを受託研究した。さらに、文系でできるマイクロ水力発電の社会実験をおこなった実績がある(萩野誠編著『マイクロ水力発電と地域経済-新しい地域再生の手段について-』北斗書房、2016年)。現在、地域における存続条件であるコミュニティビジネスについて、実証研究を進めているところである。

 

49 観光

【課題キーワード】
屋久島、世界自然遺産、観光利用

  本調査期間以降、若干利用者が減少する傾向が見られること、さらに混雑による満足度の低下が見られなかった要因として,利用者への情報提供による混雑感の変化と利用者の行動の違いによる利用状況の差の2つが考えられる。また山岳ガイドの同行が,混雑感を緩和するという点で影響があると考えられ、ガイドの調査では、混雑感緩和として混雑回避、解説活動などを通して緩和の内容について明らかになった。

 

12 技術開発

【課題キーワード】
非破壊品質評価、近赤外分光法、食品の非破壊成分分析、安納イモの迅速糖度測定、サトウキビの迅速糖度測定

 鹿児島県には、サトウキビ、サツマイモ、お茶、鰹などの特産物がある。これらの地域特産物の品質を高度に維持するには、非破壊検査など迅速品質検査が重要である。本研究室では、食品品質工学の観点から、近赤外分光法の技術を用いて、果実の非破壊糖度測定、安納イモの迅速糖度測定、サトウキビの迅速糖度測定などの技術開発に取り組んでいる。農畜水産物の非破壊品質評価技術を確立することにより、鹿児島の地場産業の発展に貢献することが可能である。

 

21 技術開発

【課題キーワード】
非破壊品質評価、近赤外分光法、食品の非破壊成分分析、安納イモの迅速糖度測定、サトウキビの迅速糖度測定

 鹿児島県には、サトウキビ、サツマイモ、お茶、鰹などの特産物がある。これらの地域特産物の品質を高度に維持するには、非破壊検査など迅速品質検査が重要である。本研究室では、食品品質工学の観点から、近赤外分光法の技術を用いて、果実の非破壊糖度測定、安納イモの迅速糖度測定、サトウキビの迅速糖度測定などの技術開発に取り組んでいる。農畜水産物の非破壊品質評価技術を確立することにより、鹿児島の地場産業の発展に貢献することが可能である。

 

26 技術開発

【課題キーワード】
タンパク質工学、遺伝子工学、生物発光、ホタル

 日本にはおよそ40種類のホタルが存在するが、そのほとんどは鹿児島島嶼地域以南に分布が集中している。地域固有のホタルが生息していることも特筆すべき特徴である。またホタルが保有する酵素ルシフェラーゼは生物発光イメージング等に利用されうる重要な遺伝子資源であるが、鹿児島固有の陸生ホタルに対する解析は全く行われていなかった。そこで本研究ではこれらホタルを多様な遺伝子資源の宝庫として捉え、これまで未活用だった鹿児島産ホタル由来の酵素遺伝子を新たに発掘、それを鹿児島発の有用酵素として積極的に活用・対外アピールすることを目指した教育研究を進める。観光資源としての積極的な活用も考えていく。

 

30 技術開発

【課題キーワード】
焼酎、発酵食品、香気成分、揮発成分、ガスクロ(GC)

 食品のおいしさは、味覚はもとより嗅覚によるところが大きい。食品の揮発成分をGC/MSで分析し、官能評価(嗅覚)との関係から嗅覚を刺激する揮発成分を特定できる。本研究では、芋焼酎の特徴的な揮発成分を特定し、その生成機構を明らかにすることで、特定の成分の増強または減少させる発酵法や微生物の種類、蒸留法などの検討を行い、酒質の多様化や新商品の開発に貢献することが可能となる。

 

33 技術開発

【課題キーワード】
建築構造、鉄筋コンクリート構造、木質構造、耐震診断

 鹿児島県内にも既存建物で、現行の耐震基準を満たしていない建物が多数、存在する。 これらの耐震診断を行い、必要に応じて耐震補強を行う必要がある。建築の耐震設計に関する実験や解析を行って、多数の建物の耐震診断や耐震補強の指導を行ってきている。民間の構造技術者が対応できない建物の耐震診断や耐震補強の指導で貢献できる。  また、日本国内には戦後、大量に植林された杉が伐採期を迎えている。しかし、国内の杉は成長が早く、硬さ、強度の面で建築部材として用いるのに適していない。特に南九州の杉は劣る。このスキ材の硬さと強度を増加させる工法を開発している。鹿児島県に眠っている杉を有効活用できる。同工法は杉以外の材にも応用でき、まだ眠っている他の種類の木材にも応用できる。

 

39 技術開発

【課題キーワード】
セルロースナノファイバー,複合材料,機械的特性

 薩摩川内市のバイオマス資源であるセルロースナノファイバー(SNF)の産業応用に関する調査研究を実施する。SNFは炭素繊維等に替わる低価格・高性能材料として注目されている。本研究では、セルロースナノファイバー強化複合材料の力学特性に関する基礎的な研究を行い、川下企業・製品ターゲットを明確化する際に必要な基礎データを取得する。また、地元自治体及び企業とSNFの産業応用に関するネットワークの形成を目指す。

 

52 技術開発

【課題キーワード】
鳥獣害、トウガラシ、カプサイシン

 鹿児島県の島嶼地域では鳥獣害の被害が顕著である。例えば、種子島における農作物被害額は島全域で約1億/年にもなる。現在もなおその被害は拡大しているが、十分で効果的な対策は見当たらない。そこで、深刻な被害をもたらす獣害(シカ)の軽減のために、哺乳動物の忌避作物として有望な熱帯産トウガラシを導入・栽培して、その効果解明に取り組み、島嶼の作物生産の安定化に貢献することが可能である。

 

37 教育

【課題キーワード】
ゲットウ、コンポスト、給食残飯、栽培

 様々な環境問題を背景に物質の地域内循環が強く求められており、学校教育においても残食のコンポスト化による環境教育が推進されている。本研究では、1学期に残食のコンポスト化、2学期に同コンポストを用いた作物栽培、3学期に同作物を食す一連の学習(総合学習)に貢献できる。また、与論町をはじめとする離島地域に自生しているゲットウのコンポスト化基材としての利用法など、ゲットウ葉の利用拡大にも貢献できる。

 

40 教育

【課題キーワード】
国語力向上,小中高大接続,インターネット通信

 本研究は,大学と鹿児島県の離島の自治体及び学校が,主にインターネット通信を用いて連携することで,「地(知)の拠点」としての継続的な役割を果たす「地域志向型教育研究」の開発を目的としている。具体的には,インターネット通信によって,与論島の学校と鹿児島大学国語教育講座と定期的に繋ぐ「小中高大 接続システムの基盤」を構築し,与論島の教育振興への支援を行っていく。また,上記システムを構築する中で見えてくる,離島教育のよさや問題等を本学学生に還元する中で,離島僻地を有する本県教育の特色,ひいては全国の類似した地方の教育に対する認識を拡充させることで,地域に貢献する人材へと成長させたい。

 

42 教育

【課題キーワード】
発達障害 合理的配慮 子育て支援

 障害を持つ人への合理的配慮の提供が義務化されているが,特に目に見えない障害である発達障害に関する社会的理解には依然として困難が大きい。本研究では,学生と共に心理支援活動を行い,対象者への直接的支援を行うと共に,今後地域での人材となる学生の発達障害に関する体験的理解を促すことを目的としている。これにより,鹿児島地域における障害児・者の直面する社会的障壁の除去に貢献することが出来る。

 

43 教育

【課題キーワード】
教育、子ども、環境、森林資源

 地域の重要な資源である「木」に着目し、森についての勉強から、そこから採れる木材を使った「ものづくり」を通して、自分たちが暮らす地域の環境について、またそこで住まうことについて、子供達が体験的に学べる場を、産学協同で運営する。この取り組みは次年度以降も継続的に展開をしていく予定であり、子供たちに対する「地域に根ざした住教育」の継続は、地元の資源を活かした美しい街や建物の創造など、将来のより良い地域社会づくりに貢献する人材を育む。

 

46 教育

【課題キーワード】
地域づくり、子どもの遊び、ICT活用

 近年の少子高齢化社会における地方創生や地域づくりに関して研究を行っている。特に、子どもや若者の地方創生への取組やまちづくり活動に対する参加・参画に着目している。研究手法は、地域を取り巻く社会的環境に関する基礎的データの整理とそれを基にした質的・量的調査(アンケートやヒアリング調査)の手法を用いている。その際、観察者や助言者としてだけでなく当事者としてアクションリサーチの手法も活用している。

 

53 教育

【課題キーワード】
行動障害,特別支援学校,行動分析,ワークショップ,OJT

 特別支援教育に対する理解や周知が進みつつあり鹿児島においても、行動障害に悩む児童生徒への対応は特別支援学校においても大きな課題である。この課題の解決に向けて特別支援学校教員用の行動分析のワークショッププログラムを開発した。1回2時間、計5回のワークショップ(隔週実施が基本)を複数の教員で参加してもらうことによって行動分析に基づく行動障害への対応の学習機会の提供できる。

 

61 教育

【課題キーワード】
地理,歴史,景観

 鹿児島県や鹿児島市の観光は、幕末・維新期との関連で取り組まれがちである。一方、名所旧跡が存在する地域に関する関心は高くなく、地理学の視点から再評価することで異なる価値を見出すことができる。本研究では、鹿児島市を対象に、フィールドワークと地図・空中写真判読などを通して世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産と周辺地域が有する地域資源としての価値を明らかにした。今後、他地域との比較を通じて、鹿児島市の地域的特性を明らかにすることができると共に、地域振興に資する学術的情報をさらに提供できる。

 

66 教育

【課題キーワード】
森林環境教育、自然学校、農山村振興,コミュニティービジネス,ソーシャルイノベーション

 鹿児島の農山漁村に若者を!!授業やゼミ活動を通じて、学生が農家民泊、農業体験、集落調査、観光調査、住民との交流などを行っています。地域の暮らしと文化や産業に触れる体験を通じて、地域の課題を見出し、それを解決するための方法を考えます。この活動を通じて、鹿児島の田舎が好きになり、将来のIターン者や持続可能な地域づくりに携わる人材を育成したいと考えています。現在(2016年~)南大隅町で活動していますが、受け入れ希望の地域がありましたら検討いたします。

 

67 教育

【課題キーワード】
津波,高潮

 様々な生成要因を有する津波や高潮に関して,数値解析,水理実験や,現地調査を行ない,鹿児島県の海岸地域における防災・減災に貢献する.また,津波及び高潮の発生メカニズム等に関する基礎的事項の説明を行ない,過去の調査結果を示して,防災教育に貢献する.

 

74 教育

【課題キーワード】
NIE、教育に新聞を、メディアリテラシー、憲法、法教育

 NIE(教育に新聞を)は、全国の小中学校や高校など、様々な教育機関で取り組まれている。子どもたちの読解力を伸ばすだけでなく、自分の生活と社会との関わりについて関心を持ち、地域のあるべき姿を提案し、自らの生き方を考えるための「生きる力」の涵養にとって、新聞を教育において活用することは重要である。また、次代を担う主権者として、憲法の定める個人の尊重という価値を体得させるための材料としても新聞は有用である。地域の学校や教育関係者と協力し、新聞を教育現場で活用しながら、地域社会の振興を担う主権者を育てるしくみを構築することが出来る。特に本県においては、奄美諸島に特色ある地域新聞が存在する。それらを活用したNIEについても追求している。

 

8 健康・地域医療

【課題キーワード】
自然食材、伝統食品、成分解析、機能性評価

 鹿児島県には、健康に良い自然食材や伝統食品が多く存在している。本研究では、これらの食材・食品の成分や機能性を明らかにし、人々の健康維持に資する観点から成分分析技術、培養細胞試験、タンパク質・遺伝子解析試験、実験動物試験、ヒト介入試験データ解析等の技術を用いて、食品の健康増進機能(抗酸化能、免疫維持能、解毒機能、癌予防機能、生活習慣病予防機能)の解明に取り組み、鹿児島地域の「食と健康」に貢献することができる。

 

11 健康・地域医療

【課題キーワード】
教育、地域医療、多職種連携、人材育成

 地域では勤務する医療者不足が深刻な問題である。医学生の卒業後の進路決定には卒前の医学教育が大きく影響すると言われ、特に地域医療現場での実習体験には関連が認められている。  地域医療実習実施にあたり、早期から継続的に地域で活躍する多職種連携を含め多教育を計画することが重要である。そのため地域と協働で良い地域医医療実習が実施できれば、将来的な地域医療に従事する医療者育成につながると考えられる。

 

13 健康・地域医療

【課題キーワード】
癌、農作物、癌予防食品、機能性食品

 遺伝毒性は正常細胞へ変異を導入し、癌化等の発症に繋がることから、遺伝毒性を示さない薬品や食品の開発が求められている。私達は遺伝毒性がない生体に備わった抗癌機能を見出し、食品でこの機能を増強できれば、癌予防効果が期待できるという考えに至った。これまでに、食用植物にこの活性を見出し、抗癌食品開発を行っている。本研究では鹿児島県産野菜へ対象を広げ、医学的なエビデンスに基づき、独自の魅力ある鹿児島特産品を開発することで、地域の産業に貢献したい。

 

14 健康・地域医療

【課題キーワード】
薬、機能性植物、長寿、脳血管、血管内皮細胞

 鹿児島県は、南北600kmの広範な地域をカバーする。そのため、植物種の種類は他の地域よりはるかに多い。夏野菜のひとつである冬瓜は血管内皮細胞から一酸化窒素(NO)産生量を増加させて脳血管を拡張する。一方、鹿児島県の島嶼域における100歳以上の長寿者の数は最長寿県の島根県をはるかにしのぐ。その理由の一つが、CaやMg等のミネラル成分豊富な地下水を飲料としていることである。Mgも内皮細胞からNO産生量を増加させて、脳血管を拡張する。この様に身近な問題でも脳血管や内皮細胞を材料に解明できる問題は多い。

 

16 健康・地域医療

【課題キーワード】
高齢者 健康づくり

 鹿児島は全国でも高い高齢化率がみられる地域であり、健康寿命の延伸のためには個々人の健康維持が欠かせない。当研究室では鹿児島市から委託されているスポーツクラブ(アーバンウェルネスクラブエルグ)と共同で運動教室に通う高齢者の体力測定を行い、参加者に結果をフィードバックしている。主な測定項目は、体重、体脂肪率、握力、足指筋力、平衡機能検査、10m歩行速度などである。

 

41 健康・地域医療

【課題キーワード】
小児・障害児の摂食嚥下障害,地域多職種連携,小児歯科

 本県は合計特殊出生率が全国平均よりも高く、少子化問題を解決する可能性を有している。一方で、低体重出生の増加や周産期医療の発展に伴って、乳幼児期の摂食嚥下障害の割合も増加している。しかしながら、島嶼、僻地を有する本県において、人材や設備を含む医療環境は必ずしも均てん化されていない。本課題において、専門分野である大学病院小児歯科と地域医療人材のネットワーク構築により医療水準の地域格差是正を目指す。

 

47 健康・地域医療

【課題キーワード】
島外出産,産科医不足,周産期医療,助産師の役割

 本県の離島に居住する母親の中には、島内に分娩施設が無く島外出産を余儀なくされる現状がある。母親達は【産科施設が無い島内で妊娠生活を送る大変さ】【家族の存在が大きいことへの気づき】【島外生活のやるせなさ】【付きまとうお金の心配】を抱えながら、【この妊娠を守りたい】という思いで島外出産を乗り越えている。本課題において、離島での周産期ケアサポート体制の構築と強化に取り組み、より安全・安心な出産を目指す。

 

50 健康・地域医療

【課題キーワード】
離島 異常予防 ヘルスケア 保健指導 連携

 離島の妊婦・褥婦、新生児は、異常が生じると島外施設での加療を余儀なくされるため、妊娠期から予防のためのセルフケア/ヘルスケアが重要である。しかし、妊娠期の健康教育であるマタニティクラスへの参加率は6割であり、未参加者はヘルスケアに関する意識が低い。離島の母親の就業率(73.4%)は高く、未参加の母親は土日に市町村保健センターでのクラスの開催、妊婦健康診査時にマタニティクラスの情報提供を希望している。対象者のニーズに合わせ、母子保健に関わる施設の柔軟な取り組みと離島の専門職の連携が必要である。

 

54 健康・地域医療

【課題キーワード】
心理支援,データ分析

 地域の心理支援にかかる業務においては,日々様々なデータが蓄積されており,それらを的確に分析できれば,例えば虐待の発生予測や介入効果の可視化など,今後の業務にとって有益な情報が得られることは多い。しかしながら,守秘義務の制約や知識・技術の不足等によって,せっかくのデータが手をつけられぬまま放置されているのが実情であろう。法文学部の心理学コースでは、このような地域自治体や病院等が所有する心理支援業務に関する基礎データについて,(1) e-mailによる分析の助言・指導,(2) 教員を派遣しての分析指導・実施,(3) 匿名化データを受託しての分析業務の実施 が可能な体制が構築されている。データの特性,要求される分析内容等によっていずれの形が適切かは変わるため,先ずは問い合わせいただきたい。

 

57 健康・地域医療

【課題キーワード】
薬草,食中毒,天然物,抗がん剤,シガテラ,海洋生物

 鹿児島に生息する生物種の中には、伝承的に食中毒を引き起こすもの、また逆に解毒するものが数多く含まれている。本研究では、天然物化学的手法を用いて、鹿児島県内の天然物由来の食中毒原因物質および解毒物質の探索、そしてそれらの化学構造や作用機序の解明をおこなっています。研究内容の詳細は、自身のホームページ(http://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/~thamada/hamada.htm)をご覧ください。

 

59 健康・地域医療

【課題キーワード】
特産食品,抗菌性,抗真菌性

 鹿児島県の食物特産品において抗菌/抗真菌性を示すものが存在すると考えられる。これらの食品の抗菌性を利用し,人の健康を保つプロバイオティクス製品等の開発が可能である。我々は,特産品,あるいはこれを元に製造された食品の抗菌性/抗真菌性を調べること,また口腔内に存在して全身の感染に影響するような細菌に対し抗菌性を有するかを調べることができる。鹿児島地域の特産食品の有効性検証に貢献することが可能である。

 

60 健康・地域医療

【課題キーワード】
メンタルヘルス,自己理解,他者理解

 いわゆる過疎化が懸念される地域では,うつ病予防や自殺予防を含めたさまざまなメンタルヘルスの課題が山積している。本研究では,こどもから成人に至るまでのあらゆる年齢層を対象に,主に臨床心理学の観点から自己理解と他者理解を促す各種啓発活動を通して,メンタルヘルスと豊かな人間関係の構築を目指した支援が可能である。

 

68 健康・地域医療

【課題キーワード】
食事、栄養、食生活調査

 鹿児島県垂水市の高齢者を対象にした研究から、糖尿病と診断された人の半数、高血圧と診断された人の70%以上、脂質異常症と診断された人の70%以上が栄養指導を受けていない状況であることが示された。これら3つの疾病には食生活が強く影響していることから、個々人に合った正しい食事への援助が必須である。残念ながら鹿児島大学には管理栄養士を要請する教育課程がないことから、個別に栄養指導を行う人的資源はない。しかし、各地域、もしくは職場などの集団を対象に食生活の現状を調査すること、調査結果を元に集団に対して改善策を提示することは可能である。食生活の改善が図れれば、疾病予防さらに医療費の削減に貢献することができる。

 

70 健康・地域医療

【課題キーワード】
発達障害、虐待、育児支援、専門家養成

 目に見えない障害である発達障害児・者に対して,適切に理解し合理的な配慮を提供してゆくプロセスの実現は大きな地域課題である。また他方、頻発する子ども虐待への対応は兼ねてから地域課題の一つであったが、平成28年の児童福祉法改正に伴い、子ども虐待への対応の軸として、地域における虐待発生予防と早期発見が地域の課題としてより強調されることとなった。このような背景から、本研究では地域で暮らす発達障害児・者の生活を支援するため、また、地域における要保護家庭の支援を進めるため、専門機関と保護者、教育関係者などの連携協働システムの構築を目指している。

 

72 健康・地域医療

【課題キーワード】
地域医療、医学教育、地域枠、医療行政、総合診療、在宅医療、地域包括ケア

 地域での生活と健康を守る為に、人口減少、予防医療、在宅医療、福祉、地域包括ケアなど広く地域医療に関する諸問題を、住民、医療者、行政、医師会など広い視野で捉え、研究・教育・診療・社会貢献を進めています。地域の抱える諸問題を、広い視野から検討し、今後の施策に反映できるようなデータの取得、解析を行います。医師、医学生へ、鹿児島県の地域を教育フィールドとして提供し、地域医療を支える人材の育成を行います。

 

73 健康・地域医療

【課題キーワード】
大規模災害,避難所,歯科,誤嚥性肺炎,口腔ケア,身元確認

 鹿児島県は、日本各地で想定される一連の大規模地震の揺れや津波による被害に加え、桜島の大規模噴火に伴う降灰による被害という地域特有の災害が想定されている。本研究では歯科医学的観点から、避難所等における口腔ケア(歯ブラシ等を用いた口腔内クリーニング)による高齢被災者の誤嚥性肺炎の予防ならびに身元不明遺体に対する歯科的身元確認を通して鹿児島地域の災害対応に貢献することが可能である。

 

35 社会インフラ

【課題キーワード】
社会資本、経年劣化、耐震性

 現在、高度経済成長期に建設された社会資本の老朽化が社会問題となっている。鹿児島県が管理している道路橋に関しても、15年後には約半数の橋梁が建設後50年を経過することになる。本研究では、数値シミュレーションなどの技術を用いて、経年劣化を考慮した社会インフラ(特に道路橋)の耐震性能を評価し、道路橋の残存寿命に関する評価手法を検討することで、長寿命化修繕計画に貢献するものである。

 

71 社会インフラ

【課題キーワード】
コンクリート構造物、耐久性、維持管理、非破壊検査

 ほとんどの社会インフラはコンクリート構造物が用いられており、その長寿命化は重要な課題です。鹿児島県には、離島や温泉地域が多く在ることから、塩害や化学的侵食と言われる劣化現象に対する対策が必要です。コンクリート構造物の長寿命化に寄与するための検討として、耐久性に優れる新しい材料の開発、長期性能予測の高精度化、簡易的かつ効果的な点検・診断技術の提案などに取り組んでおり、これらの項目については対応可能です。

 

2 水産業

【課題キーワード】
水産物、鮮度維持、高品質冷凍、色変わり防止、輸出、市場拡大、冷凍、ATP

 鹿児島県の水産は、島嶼圏における水産業やブリ・カンパチ・クロマグロなどの海面養殖業に特徴がある。島嶼圏では多様で美味な水産物が漁獲されるものの現状では流通が限られるなどで高価値を得ることが困難である。また、養殖ブリ・カンパチの輸出についても冷凍流通中の色変わりの問題がある。本研究室では魚体にもともと含まれているエネルギー物質のATPによるタンパク質変性抑制作用について研究を進めているが、研究成果を利用し水産物の高品質冷凍刺身製造技術の確立に取り組んでいる。本技術を利用することにより鹿児島水産物の高付加価値流通に貢献することが可能である。

 

15 水産業

【課題キーワード】
漁具、漁法、人工漁礁、潜水調査

 鹿児島県内の各地域には様々な漁具漁法があり、漁獲対象とする魚介類も多種多様です。近年の燃油価格の高騰や魚価の低迷による課題を解決するために、環境にやさしい省エネルギー型の漁業技術や魚を鮮度の良い状態で漁獲する方法に関する研究を進めています。水産学部には、海中の状態を再現する回流水槽があり、この実験装置を使って漁具の改良に取り組んだり、漁船に乗船して現場でのデータを分析して操業方法の改善策についての提案を行っています

 

19 水産業

【課題キーワード】
海藻、藻場、磯焼け、トコブシ、カワゴケソウ

 鹿児島県内における食用有用海藻類(モヅク、ワカメ、ヒトエグサ)の養殖や、磯焼け調査、藻場造成、赤潮ならびに水質分析や海の環境教育などの相談に応じます。また、亜熱帯性のアワビであるトコブシの資源管理や、県天然記念物カワゴケソウの保護に関する情報提供も可能です。

 

37 水産業  

【課題キーワード】
魚類,多様性,分類,同定

 鹿児島県は,日本で最も魚類の種数が多い県である。しかし、種数が多い(多様性が高い)がゆえに種の同定(種名の特定)が困難であり,水産資源として広域に流通している魚でさえも種名が分からないことが多い。鹿児島大学総合研究博物館に保管されている10万点におよぶ魚類のリファレンスコレクション(標本)と膨大な文献をもとに,正体不明の魚を分類学的に精査し,種名を特定することが可能である。また,特定の地域に出現する魚類の種リストや出現する時期の基礎データを提供することも可能である。鹿児島に生息する魚類の基礎的知見を提供し、水産業や地域の生物多様性の把握に貢献することが可能である。

 

56 水産業  

【課題キーワード】
健康機能性食品、高血圧、がん、農水産物、糖鎖

 鹿児島県は南北に約600キロの長さであり、そこには多種多様の生物資源が存在している。本研究では生化学的、分子生物学的手法を用いて、それら生物資源素材、およびそれらを利用した食品について健康機能性の評価を行う。本研究の目的は、鹿児島県の特色ある食材の高付加価値化、および未利用・低利用資源を用いた新規利用法の開発である。

 

3 地域防災

【課題キーワード】
山崩れ、土石流、土砂災害、地域防災

 鹿児島県は、桜島などの火山が分布し、シラスなどの火山噴出物に覆われ、また台風や大雨が多く、自然災害が頻発する地域である。近年、自然災害の中で大きな被害をもたらしているのは山崩れ・土石流による土砂災害である。シラス斜面の崩壊、近年の大規模降雨で増加している深層崩壊、火山噴火に起因する土石流などの発生機構の解明、予測・対策の研究を進めている。これらの研究成果に基づき、地域防災力の向上に取り組んでいる。

 

4 地域防災

【課題キーワード】
情報通信、ブロードバンド、地域情報化、ICT利活用

 小規模な離島や山間部など地理的条件が特に不利な地域を対象とした情報通信基盤の整備と整備した情報通信基盤の利活用について、地域の住民の積極的な関与を求めながら推進する方策の検討をこれまで行ってきた。また、奄美豪雨災害時の情報通信体制の検証に関わった経験や無線LAN・衛星通信に関わる研究活動に基づき、災害に強い情報通信基盤の構築や災害時の情報通信体制のあり方の検討の支援が可能である。

 

17 地域防災

【課題キーワード】
大規模災害、歯科医療支援

 鹿児島県は、様々な自然の脅威にさらされている。大規模災害発生時には、生命の安全の確保とともに歯科に関する様々な問題への対応も重要となる。しかし、鹿児島県における大規模災害時の歯科医療体制はまだ十分ではない。本教育研究は、講演会の開催等によって鹿児島大学を含む関連機関の間で情報共有や意見交換を行うことで、歯科医療体制の構築・強化に取り組み、鹿児島県における大規模災害対策に貢献することが可能である。

 

20 地域防災

【課題キーワード】
浸透破壊、しらす、盛土、河川堤防

 鹿児島県には、しらす斜面やしらすを含んだ材料で築造された盛土や河川堤防が多く存在しており、降雨等により、しらす斜面や盛土の崩壊、河川堤防の浸透破壊などが生じている。本研究では、地盤工学的観点から、室内土質試験、室内土槽実験、現地計測、数値解析などの技術を用いて、しらす斜面やしらすを含んだ材料で築造された盛土や河川堤防の破壊メカニズムの解明に取り組み、鹿児島地域の防災・減災に貢献することが可能である。

 

24 地域防災

【課題キーワード】
建築構造、鉄筋コンクリート構造、木質構造、耐震診断

 鹿児島県内にも既存建物で、現行の耐震基準を満たしていない建物が多数、存在する。 これらの耐震診断を行い、必要に応じて耐震補強を行う必要がある。建築の耐震設計に関する実験や解析を行って、多数の建物の耐震診断や耐震補強の指導を行ってきている。民間の構造技術者が対応できない建物の耐震診断や耐震補強の指導で貢献できる。  また、日本国内には戦後、大量に植林された杉が伐採期を迎えている。しかし、国内の杉は成長が早く、硬さ、強度の面で建築部材として用いるのに適していない。特に南九州の杉は劣る。このスキ材の硬さと強度を増加させる工法を開発している。鹿児島県に眠っている杉を有効活用できる。同工法は杉以外の材にも応用でき、まだ眠っている他の種類の木材にも応用できる。

 

32 地域防災

【課題キーワード】
防災対策、保健活動、地域づくり

 鹿児島県には、離島・僻地が多く存在しており、火山や台風等の自然災害により、生活が継続できなかったり治療が中断され、健康問題が悪化する課題が生じている。一方、鹿児島大学は、総合大学であり、多様な学問領域が相互に補完し合って災害時に、学際的な支援を行うことができる。本研究では、離島・僻地の防災に関するニーズを分析し、災害時に生活が円滑に継続・再構築できる包括的な災害対策を考案することが可能である。

 

36 地域防災

【課題キーワード】
地震災害、耐震性能評価、常時微動観測、地盤の振動特性

 地震による被害は、地盤の振動特性と密接に関係している。よって、鹿児島県の地震に対する地域の防災・減災対策を検討するには、県特有のしらす地盤の振動特性を把握しておくことが必要となる。本研究では、常時微動観測や数値シミュレーションなどにより、しらす地盤の振動特性の把握、土木構造物の耐震性能を評価することで、南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されている鹿児島地域の防災・減災に貢献することが可能である。

 

38 地域防災

【課題キーワード】
原子力,放射線,測定,リスクコミュニケーション

 川内原発1、2号機が、福島第1原発事故後初となる再稼働に向けた作業に入っており、地域においては原子力発電所と共存していかねばならない。これまでの原子力安全神話が瓦解した今、原子力防災に係る放射線の基礎知識及び放射線から自己を守る防災の方法を修得することは重要である。本課題では、市民講座等を介し前述に係る地域の要請に応え、また、日常の放射線モニタリングを通し地域の防災に貢献することが可能である。

 

58 地域防災

【課題キーワード】
津波 波圧 津波模型実験 室内水理実験 数値解析

【地域の課題】

 南海トラフ大地震津波の発生がほぼ確実視されるなか、共用期間を迎えつつある防災沿岸構造物は、地方自治体の税収の落ち込みを背景に、十分な維持管理が不可能な状況に陥っており津波防災を考える上で危機的状況にある。
【研究手法】
 本研究は、海岸工学的観点から、大型平面水槽を使用した津波模型実験、室内水理実験、数値解析などの手法により、県内に点在する既存防波堤の有する津波減衰効果、遡上津波による構造物への津波波圧メカニズムの解明に取り組む。以上より、鹿児島県地域の津波に関する防災・減災に貢献することが可能である。
 

 

5 農林畜産業

【課題キーワード】
飼料、未利用農産資源、高品質畜産物

 鹿児島県は畜産が盛んでありますが、輸入飼料源の高騰による生産費の圧迫、競合する他県・地域の畜産物との差別化などの対応すべき課題があります。私たちは地域で発生する未利用農産資源の理化学的評価と動物実験による生物学的評価を行い、新規飼料資源としての可能性を検証することができます。そして、地域農産資源の高度有効利用と食料循環の促進、新規飼料ビジネスの創出等を通じて生産者に貢献できます。

 

6 農林畜産業

【課題キーワード】
飼料、未利用農産資源、高品質畜産物

 鹿児島県は畜産が盛んでありますが、輸入飼料源の高騰による生産費の圧迫、競合する他県・地域の畜産物との差別化などの対応すべき課題があります。私たちは地域で発生する未利用農産資源の理化学的評価と動物実験による生物学的評価を行い、新規飼料資源としての可能性を検証することができます。そして、地域農産資源の高度有効利用と食料循環の促進、新規飼料ビジネスの創出等を通じて生産者に貢献できます。

 

7 農林畜産業

【課題キーワード】
鶏、野鳥、ツル、感染症、防疫

 鹿児島県は宮崎県と共に全国でも有数の養鶏産業の基地である。そのため、一旦伝染病が流行すると被害も甚大になる。また、野鳥も多く、特に毎冬出水平野には中国東北部やシベリア等からツルやカモ等の渡り鳥が飛来し越冬する。これらの鳥を介して、病原体が鹿児島に持ち込まれる可能性があるため、野鳥の監視は重要である。監視により、発症・死亡野鳥を早期に発見し、病原体の確認・診断、関係者への注意喚起など早期対応で被害を最小限にできる。野鳥・鶏の監視、早期診断、情報発信で貢献したい。

 

9 農林畜産業

【課題キーワード】
家畜排せつ物、浄化、メタン発酵、リサイクル

 鹿児島県は養豚業が盛んであり、そこから排出される家畜糞尿の処理に多大な労力とコストがかかっている。近年、メタン発酵処理によりCODの低減とエネルギーとしてのメタンガスを採取してそのコスト削減に取り組む業者も増えてきたが、メタン発酵残渣の有効的な処理方法が確立されてないことから、殺菌、希釈により河川放流するため依然処理費地用により本業収益を圧迫している現状がある。本研究では、家畜糞尿をメタン発酵した際の残渣に含有する窒素(3、000mg/L程度)を植物体への肥料として利用した場合の商品作物への影響を、安全性、栄養成分、成長阻害などの観点から植物を使った水浄化システム技術の開発を行うものであり、養豚業が抱える排水処理コストの低減を可能にするものである。

 

18 農林畜産業

【課題キーワード】
植物の病気、亜熱帯果樹、植物ウイルス、細菌、糸状菌

 鹿児島県では南九州特有の果樹が数多く栽培されている。商業栽培が盛んな品目としては、カンキツ類、マンゴーならびにパッションフルーツなどがあるが、その他にも、ドラゴンフルーツや島バナナなど、今後面積が増加し、全国的な販路拡大が期待できる果実類が多く存在する。ただ単一品目の栽培規模の拡大では、多くの場合に、病虫害が顕在化する傾向がある。当研究室では植物の病原体を同定し、鹿児島県農業開発総合センター等と共同して、防除のための基礎研究を行うことにより、当地域の農業生産の安定と発展に貢献している。

 

23 農林畜産業

【課題キーワード】
血管、生体機能、予防、農産物、野菜、果物、未利用資源

 血管の正常な機能が失われて動脈硬化や異常収縮が起きると、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などの重篤な病気を引き起こす。このような血管に起因する病気を未然に防ぐため、私達は、正常な血管機能を保つための機能性成分を、食品や未利用資源をはじめ多くの天然物から探索し、作用機構の解明を行っている。食品、化粧品、その他多くの産業応用に繋がる科学的根拠を明らかにすることで、病気を遠ざけ(予防)、より健康な生活に応用していきたい。

 

28 農林畜産業

【課題キーワード】
鳥獣被害、被害対策、野生動物、生態

 現在、全国的に野生鳥獣による農業被害が増加傾向にあり、鹿児島県においても例外ではない。これを受け、被害対策マニュアル等が整備され、各地で被害軽減のための様々な対策が実施されているものの、地域によって個別具体的な課題は多様である。地域の実状に応じた被害対策を行うためには、被害の実態や被害を与える動物の生態についての基礎情報が必要である。本研究では、野生動物(獣類)による被害の実態について現地調査を行い、被害対策の方法について提案することが可能である。

 

31 農林畜産業

【課題キーワード】
害虫、天敵利用、生物的防除、南西諸島

 鹿児島県は温暖多雨な気候に恵まれ農業生産が盛んであるが、害虫の発生も多い。特に南西諸島は害虫が突発的に大発生する事例が散見される。一方、南西諸島は天水をもとにした地下水源に依存しているため、農薬の使用は限られる。農薬に代わる害虫防除手段として天敵利用が有効である。本研究では、地域の環境を保全しながら農業生産を確保するという観点から南西諸島の地域条件に適応した害虫防除技術の確立をめざす。

 

34 農林畜産業

【課題キーワード】
自然食材、伝統食品、成分解析、機能性評価

 鹿児島県には、健康に良い自然食材や伝統食品が多く存在している。本研究では、これらの食材・食品の成分や機能性を明らかにし、人々の健康維持に資する観点から成分分析技術、培養細胞試験、タンパク質・遺伝子解析試験、実験動物試験、ヒト介入試験データ解析等の技術を用いて、食品の健康増進機能(抗酸化能、免疫維持能、解毒機能、癌予防機能、生活習慣病予防機能)の解明に取り組み、鹿児島地域の「食と健康」に貢献することができる。

 

48 農林畜産業

【課題キーワード】
林業、素材生産業、経営

 素材生産事業体は、以前に比べて機械化が進んでおり、高性能林業機械購入者は限定されるが、投資金額が大きくなっており、経営上大きな負担となっている。また、回答のあった事業体を見る限り、月給制の支払い形態の割合が高まってきている。このことは、事業体の固定的な経費の増大につながることが明らかになった。このように、事業規模の拡大に伴い経費の増大も続いており、この面から財務管理能力の育成が課題となっている。

 

55 農林畜産業

【課題キーワード】
未利用作物、塩害・潮風害、栽培技術開発

 鹿児島は島嶼部を含めて海の影響を強く受け、そのため野草でありながら野菜のように利用される海浜植物の長命草(ボタンボウフウ)などがあり、一方海が近いために起こるサトウキビの潮風害が見られる.前者のような海浜野草の作物的利用のための栽培技術開発、後者のような、栽培作物の潮風害、塩害に対する対処法の開発などを目的とする研究を行っている.

 

64 農林畜産業

【課題キーワード】
島嶼農業,農業政策,さとうきび,いも類,そば,環境と農業

 鹿児島県には多くの島があり,多様な農業が展開している。しかし市場への遠隔性,土地の狭隘性,自然環境の脆弱性等に起因する収益性の問題や環境汚染の問題を抱えている場合がある。本研究では農家・関係機関への実態調査や統計データの分析を通じて,問題を解明し,島嶼農業の競争力強化や条件不利性の低減,環境の保全に貢献できる。

 

65 農林畜産業

【課題キーワード】
肉牛、呼吸器病、免疫、廃棄物・副産物

 鹿児島県は日本一の畜産地帯であり、第11回全国和牛能力共進会では鹿児島黒牛が日本一に輝いた。その肉牛生産において、もっとも大きな経済的損失をもたらしているのが呼吸器病であるが、牛の呼吸器病は「複合病」と言われるように複雑な病態をしており、従来のワクチンや抗菌薬で予防・治療が困難であった。そこで我々は、免疫学的な観点から「病気になりにくい牛」を育成しワクチンや抗菌薬に頼らずに呼吸器病を予防することを目指している。特に、鹿児島の特産品である焼酎や黒酢生産の際にも出る粕やもろみといった様々な廃棄物・副産物に注目しており、投与した際に牛生体に与える影響の解析手法を確立している。

 

69 農林畜産業

【課題キーワード】
地域資源,バイオマス,エネルギー

 鹿児島県内には,家畜糞尿や焼酎粕等,処理方法に課題を抱えた地域特有のバイオマス資源が存在する.家畜糞尿や焼酎粕は水分を多く含み重量が大きく,特有の臭気を持つためハンドリングが難しく,輸送コストや使用場所等の問題から,新たな利活用方法が求められている.本研究では,この様なバイオマス資源の利活用技術開発に環境保全の観点から取り組み,地域資源循環型社会の構築に貢献する.

 

62 まちづくり・観光

【課題キーワード】
都市経済学,経済立地論,地域経済学,ミクロ経済学

 鹿児島県のみならず地方は人口減少、少子高齢化の流れが加速している。その中で、地域が生き延びていくためにはどうすれば良いのか。この30年間の国の政策とそれに対応してきた地方自治体の施策の結果が現象として表れているとすると、まず、現状を検証し、現状の問題点と課題を明らかにすることによってこれからの地域の生きる方向性を検討する必要がある。その現状分析と政策・施策の整理に取り組み、今後の方向性の一つであるまちづくり・観光を地域活性化にどう生かすかを検証することが必要であり、そのことによって、地域の課題への処方箋を検討することができる。

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