鹿児島大学高等教育研究開発センター

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教育方法

 「アクティヴ・ラーニング」とは「主体的な学び」のことであり、決して「活動的な学び(アクション・ラーニング)」のことではありません。学ぶという目標に向かう学習者の主体性が重要であり、活動はそのための方法に過ぎません。
 すなわち、例えばある知識を身に付けるために、「講義形式で先生から話を聞く」場合と、「グループワーク形式で討論する」場合を比較し、後者の方がその知識をより良く身に付けることができるならば、その方法が有効である、ということになります。

グループワーク

 代表的なアクティヴ・ラーニングの方法の1つです。
 グループでの話し合いを有意義なものにするためのポイントとして、以下の3点が挙げられます。
 第1に、話し合いで決めなければならないことをできるだけ具体的に表現させることです。「初年次セミナーⅠ」ではグループで追究するテーマを自分たちで決めることにしていますが、例えば「環境問題」というのではあまりにも範囲が広すぎて、実際に何を調べて何を明らかにするのか全く分かりません。こうした場合は、「〇〇をテーマとして取り上げ、△△が□□であることを明らかにする」「●●という社会的課題を解決するには、▲▲を◆◆すべきであることを証明する」といった形式をあらかじめ提示すると良いでしょう。
 第2に、時間を明確に示すことです。話し合いの時間が20分あるのであれば、「20分後の◎時◎分になったら、話し合った結論について全てのグループに発表してもらいます」と予告しておきましょう。そうすることで、学生は、何時までに何をしなければ(決めなければ)ならないかを意識して話し合いに臨むことができます。
 そして第3に、全ての学生が自分の考えを表現する機会を設けることです。考える時間もないままいきなり話し合いをさせても、有意義な話し合いにはなかなかなりません。そこで、最初のアイディアを各自付箋に書き出させたうえで、それをグループ内で見せながら自分の考えを伝えるようにすると発言しやすくなります。あまり構えることなく発言できる雰囲気作りが重要です。
 大学入学までに他者と話し合いながらアイディアを練り上げる経験をしたことのある学生はそう多くありません。話し合いを有意義なものにすることにも一定のスキルが必要ですので、知識内容の修得だけでなく、こうした活動をうまく行うためのスキル修得も促していきたいものです。

《参考:FDガイド第1号「授業にピア活動を取り入れる」》