鹿児島大学 鹿児島大学高等教育研究開発センター

専任教員ブログ

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特任助手とは?

 

 伊藤です。

 

 今回は、森さんの記事(2020.9.4 プレFDの活動について)でも言及があった特任助手についてお話します。

 

 特任助手制度は、2018年10月から発足しました。大学教員を目指す大学院博士後期課程の大学院生もしくはポスドクの方々を対象とした制度です。教員と協働での授業運営や教育研修業務に携わることを通じて自身の教育能力の向上を図り、専任教員となるためのステップとしてもらうことを想定しています。

 

 具体的な業務としては、本学の全学必修科目である「初年次セミナー」を教員と共同で運営することやシラバス作成や模擬授業等教員の教育業務にとって必須の活動に関するスキルアップを目指した研修に参加することなどがあります。「初年次セミナー」はアカデミック・スキル習得を目的としたアクティブ・ラーニング型授業ですので、そうした授業を運営する際の注意点や要点の修得は、これから大学教員になろうとするに当たって非常に重要なスキルになると考えており、教育研修業務についても同様に捉えています。

 

 また、今年度は新型コロナウィルス感染症対策との関係で休止していますが、図書館ラーニングコモンズでの学習相談活動も行っています。授業時間外学習の支援も大学にとって非常に重要な課題であることから、そうした側面から本学の学生支援にも寄与しています。

 

 一方で、研究業績をしっかり積み重ねることは、教育能力が以前より問われるようになったとはいえ依然として必須です。ですから、目指す大学教員の職に就くには、研究成果を挙げることが不可欠といえます。特任助手の給与はそれだけで生活に十分といえるものではありません。しかし、最低賃金の低い鹿児島でアルバイトをしながら研究活動をすることを思えば、研究に集中しやすい環境を提供できていると考えています。

 

 様々な形で教育に関わっている特任助手ですが、この立場はあくまで一時的なものであり、自分なりの進路を見出して旅立ってもらうための積極的な「踏み台」でもあります。大学教員や企業等の研究員となる人もいますし、今年度も選考結果が明らかになりつつある学術振興会特別研究員に採用される人もいます。現在は、研究活動に様々な制約がある中ですが、成果が認められて希望する道を歩んでいける人が今年度も1人でも多く現れ、特任助手を「卒業」していってくれることを願っています。

 

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