鹿児島大学 鹿児島大学高等教育研究開発センター

専任教員ブログ

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新型コロナウィルス感染症PCR検査陽性者判明を受けて

 

 

 伊藤です。

 

 新型コロナウィルス感染症PCR検査受検者1名の陽性が判明しました。まずは、当該学生の1日も早い回復を心からお祈り申し上げます。

 

 懸念されるのは、10月15日の記事でも書いたように、周囲の学生が冷静に受け止められるかということ、そして、これとも関連して当該学生が必要以上に恐怖を感じるような事態が生じないかということです。感染経路を確認するには誰が濃厚接触者なのか、どのような場への出入りがあったのかを確認することが必要になります。これは、さらなる感染拡大を防ぐため、あるいは感染疑い者を見過ごさないために確実に必要な措置だと思います。だからこそ、こうした措置の必要性を理解し、感染拡大を共に抑えるために協力するという姿勢が重要になるでしょう。

 

 今の状況の中では、どれだけ対策をとっていても完璧ということはあり得ない、いつ誰が感染してもおかしくないという認識に立つべきではないでしょうか。望んで感染症にかかろうとする人はいないでしょう。陽性と判明した人に対しては、きちんと検査を受けてくれたことにむしろ謝意を示す必要があるのではないかとさえ思います。本学では陽性者判明を受け、24日までは遠隔授業のみ、学生のキャンパスへの出入りは基本的に禁止となりました。部活動・サークル活動も同様の取り扱いです。学生の日常生活に影響が及ぶ中で、陽性者を非難するような、あるいは排除するような言動が生じないことを心から願います。

 

 これは学生に限ったことではありません。教職員にも当然のことながら当てはまる話です。教職員は立場上、学生より多くの情報を手に入れることができる場合が多くあります。だからといって必要以上に情報を拡散するようなことはあってはなりません。むしろ、冷静な対応を周囲に促すことこそが果たすべき役割でしょう。

 問題は感染症であって感染者ではありません。ウィルスと人とを過剰に同一視してはならないということについて、科学という営みの拠点である大学としての矜持が求められているのかもしれません。

 

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