専任教員ブログ
【鹿児島大学の遠隔授業シリーズ】遠隔授業の実施状況
伊藤です。
本学では遠隔授業を、「リアルタイム配信授業」「オンデマンド配信授業」「講義資料・課題提示による授業」の3つに整理し、各授業の目的・目標や内容等に応じた方法を選択することとしています。
リアルタイム配信授業とは、Zoom等を用いて授業時間に教員がリアルタイムで実施するものです。通常の授業を遠隔授業の形で行うものといえるでしょう。教室ではなかなか挙手して質問するのが難しい場合でも、遠隔授業であればチャットを用いて質問がしやすいといったメリットがあることが指摘されています。
オンデマンド配信授業はあらかじめ準備された動画を視聴するものです。学生の都合に合わせた視聴が可能です。また、分からなかったところは繰り返し視聴し直すことができるため、学生が個々の理解度に合わせて学習を深めやすい点も大きなメリットといえるでしょう。
そして講義資料・課題提示による授業は、あらかじめ授業資料を配信しておき、学生が個々のペースに合わせて学習を進めるものです。同時に示される課題に適切にこたえられるように資料を読み込んでいくことが求められます。
これらの方法は、全く別物というわけではありません。例えば、オンデマンド配信された動画を視聴したうえでリアルタイム配信授業に臨む場合もあります。また、リアルタイム配信授業やオンデマンド配信授業の中で示された課題への回答が必要となることも少なくありません。多くの授業ではこうした複数の方法を組み合わせて用いることで、学生がより良く学べるよう配慮しています。
今年度は、学生も教職員も十分な準備ができないまま遠隔授業に取り組むこととなってしまいました。本学では授業開始日を約2週間遅らせましたが、それでも「これで十分なのか?」「まだできることはあったのでは?」と感じつつ授業開始を迎えた教職員が多くいたことでしょう。また、学生も「本当に大丈夫なのか?」という不安を感じながらのスタートだったでしょう。
遠隔授業については、最初と比べれば学生も教職員も慣れたこともあり、大きなトラブルが起きることなく進められています。当センターからも、前期末に全学生を対象として実施したアンケート結果を報告して学生の困りごとや支援を必要としていることに対する理解を促したり、より良いものにするための注意点をまとめた文書をお送りして注意を促したりしています。そうした積み重ねの中で、本学なりの遠隔授業がより良いものになっていくことを願っています。
第2回スクーリング期間を来月に控えた中、第3波が訪れているとの指摘もあります。まだ有効なワクチンの開発もできておらず、来年度以降も「コロナ以前」に完全に戻る見込みは全くありません。それはつまり、全ての授業が対面で行えるようになるのははるかに遠い話だということです。私たちは今後も感染対策と十分な学習成果とを両立していくかという非常に難しい課題に取り組まなければなりません。本学としても、学生の状況を常に注視しつつ、より良い学生生活になるよう取り組みを進めていきます。