鹿児島大学 鹿児島大学高等教育研究開発センター

専任教員ブログ

専任教員ブログ

コロナ禍の今「点と点をつなぐ」を考える

 森です。
 
 先月、鹿児島大学のある鹿児島市も「まん延防止等重点措置」に指定されました。これにより、私が、夏季休暇中に予定していた鹿児島県内のフィールドワークや出前授業が全て中止となりました。前期には鹿児島大学でのワクチン職域接種も始まり、これから徐々に状況も改善していくのかと思いきや、先の見えない状況に学生はもちろんのこと教職員も疲弊してきているように感じます。
 
 この状況を受けて鹿児島大学は、後期開始から2週間は遠隔授業のみを実施することとしました。私は、昨年度から遠隔授業支援の業務を担当し実際に多くの活動を行ってきました。この活動には鹿児島大学に着任する前に、大学院生・助手として在籍した早稲田大学のeスクールでの活動が大いに役立ちました。eスクールは、人間科学部の通信制コースです。ほとんど大学に通うことなく卒業することができるため海外在住や社会人の学生が多く在籍していました。そこで私は、eメンターとして遠隔授業授業を受ける学生のサポートを担当していました。
 
 その経験を活かし、オンデマンド授業を作るポイントや、フィードバックのあり方、学生との接し方など自身の授業はもちろんのこと、遠隔授業支援の活動でも、多くの先生方にお話させていただきました。過去の経験が活きて良かったと思うのですが、一方で、eスクールの経験が活きたのは全くの偶然です。新型コロナウイルス感染症の流行がなければ、通常通りの対面授業が続いていたはずです。このように過去の経験が突然、偶然活きてくるということは、みなさんも経験したことがあるのではないでしょうか?
 
 Apple創業者のスティーブ・ジョブズは2005年のスタンフォード大学の卒業式で「点と点をつなぐ」という話をしました。この話は「その当時は、なにかに役立てよう、なにかに役立つかもしれないということが分からなかったり、考えていなかったとしても「今」振り返ってみると、その経験や知識が役に立っていると気付く」というような内容です。スティーブ・ジョブズは、この話の中で「私達は今やっていることが、人生のどこかで役に立つと信じるしかない」と言っています。
 
 コロナ禍で難しい時期を過ごしている学生の皆さんに、この「点と点をつなぐ」ことを考えてみてほしいと思っています。多くの制限がある状況ではありますが、ここで立ち止まることなく大学生活を過ごすことで、後々、必ず活きてくることがあります。そう信じて前を向いていきましょう。
 
 
 とは言え、実際に授業をして大学生と向き合っていると、このようなメッセージだけでは済まない現状もあります。私の授業の中でも、しっかりと支援や声掛けをしていきたいなと思っています。また、学生の皆さんは、困っていること、辛いと思っていること、やってみたいと思っていることは遠慮なく教員や大学はもちろん、友達や家族に相談してみてください。誰かに話すことで、心が軽くなったり、見えてくるものがあるはずです。
 
 
 今回の教員ブログは学生の皆さん向けのメッセージのような内容でしたが、私自身も「点と点をつなぐ」をしっかりと支援できるように、後期も学生の皆さんと向き合っていきます。先の見えない状況ではありますが、第5波もピークアウトしたという報道も耳にします。一歩一歩着実に進んでいきたいところです。
 
 
DSC_0084.jpg

つぶやき一覧へ