鹿児島大学 鹿児島大学高等教育研究開発センター

専任教員ブログ

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アクティブラーニングと教員の振り返り

 森です。
 随分前のことになってしまいますが、2020年2月にアカデミックポートフォリオ作成ワークショップを開催しました。アカデミックポートフォリオ作成ワークショップは、参加した教員が大学教員の活動全般を振り返り、これまでの活動や理念、目標などを文章で整理します。
 国立大隅青少年自然の家に泊まり込み2泊3日のワークショップでした。6名の教員がアカデミックポートフォリオを作成し、私はメンターとして参加しました。
 ワークショップでは、大学教員の活動の1つである教育活動の振り返りと目標設定も行います。その際、どのような授業をするために、どのような方法を用いるかといったことを丁寧に振り返り整理をします。その際、メンターは、振り返りを支援するために様々な質問を投げかけ、参加者に考えるきっかけを提供したり、考えを整理することを促します。
 なぜ、このような話から始めたかと言うと、久しぶりにメンターのような質問を投げかける機会があったからです。
 先日、学内のFDイベントの打ち合わせがあり、担当の先生と「アクティブラーニングをどのように導入するか?」といった話をしていました。そこで私は担当の先生に「学生にどのようになってほしいですか?」「学部全体や1つ1つの授業で何を学んでほしいですか?」「卒業後にどのような姿であって欲しいですか?」「(先生の返答に対して)具体的にはどういう意味ですか?」といったワークショップのメンターのような質問を多数投げかけていました。
 近年、大学としてだけでなく、社会全体としてアクティブラーニングの推進が叫ばれています。もちろん私も大学のアクティブラーニングの推進役ではあります。しかし、導入において重要なことは、
 ・授業での到達目標を達成するために何が必要か?
 ・そもそもその到達目標は妥当か?
 ・学生にどうなってほしいのか?
といったことを個々の教員が丁寧に振り返り、それに合わせて、アクティブラーニングの中でもどの手法を、どのコンテンツと合わせて、どのタイミングで、どのように導入するかを検討することです。
 このような検討を通して、アクティブラーニングの手法はそぐわないということであれば、無理に導入する必要はありません。今回のやり取りを通して、そのような「教員の振り返り」の観点をあまり共有することなく、アクティブラーニングの話をしてきたのかもしれないと反省をしました。
 冒頭の話に戻ると、ポートフォリオ作成ワークショップは鹿児島大学での初回の開催でした。しかし、直後に新型コロナウイルス感染症の流行が拡大したため、第2回が実現することなく、2年が経過しようとしています。流行が落ち着けば、また、大隅の地に集い教員同士で自分たちの活動の振り返りを行いたいなと思っています。
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