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専任教員ブログ

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第1回教学IR研修会を開催しました。

 伊藤です。

 昨日、今年度第1回教学IR研修会を開催しました。学部の取り組みについてご報告いただいた、歯学部の西村正宏学部長、教育学部の錦織寿先生、ありがとうございました。また、内容を補足いただいた有倉巳幸教育学部長にも心より感謝申し上げます。

 本学に限らず、我が国の高等教育界において、教学IRは非常に重要な課題となっています。しかしその一方、具体的に何をどうすれば良いのかがわからない、取り組むことの意義やメリットがわからないといった声もあります。本学の昨年度、認証評価を受審しましたが、そのような際に様々なデータが求められることから、データ収集・整理の必要性についてはそれなりに理解が進んでいると思います。また、改組の際や各種申請事業で予算獲得を試みる場合など、過去の取り組みや改革に関するエビデンスが求められる機会も増していることから、データの収集にとどまらず、その分析や成果の検証の必要性が認識される機会も増えています。

 それでも、教学IRを推進するには大きな課題があります。それを誰が行うか、そのために必要な予算をどうするか、です。現状ではどの部局にも余裕はなく、既にいる教員の誰かが担うしかありません。能力やスキルのある教員の負荷が増します。そうした教員は他業務にも携わっている場合が少なくないため、過労状態に陥りかねません。また、その教員個人に依存する度合いが高まるため、転出や退職時の継続性が問題となります。
 予算があれば、そのための専従職員を雇用することもできるかもしれませんが、大学を取り巻く状況は非常に厳しく、それも容易ではありません。教学IRは入試や成績情報を扱うことから情報管理上の問題もあり、仮に予算があっても安易に外注できるものでもないでしょう。

 立場上、教学IRの推進や体制整備をお願いしていますが、特定の教員の負荷を増やすだけで持続性が担保できない状況を作り出したいわけではありません。人の配置も予算措置も現実的に容易でない今の大学においてどうすれば持続可能な教学IRの体制が整備できるのか、非常に重い課題だと感じています。

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