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専任教員ブログ

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学会とセミナーの機会に考えたこと

 伊藤です。

 週末、日本教育社会学会に参加しました。夫が週末休みでないため、出張となると息子連れになることから、今回は無理かな...と思っていたのですが、コロナ禍を受けて全面オンライン開催となったために参加可能となったのでした。コロナ禍の副産物ともいえますが、オンライン化がいろいろなことで進んだことで、それ以前であれば難しかったであろうことができるようになったのはありがたいです。

 ただ、実際には左右あるいは正面から伸びてくる手を避けながら発表を聴くのはなかなか大変で、発表の合間に息子の相手をしているのか、息子と遊ぶ合間に発表を聴いているのかというと、後者だった気がします。それでも「その世界」の空気を感じ、触れることができたのは良かったです。

 先週は、本学の男女共同参画セミナーに参加し、改めて女性教員として仕事をすることについて考える機会を得ました。

 私はこれまであまり自分が女性であるということを意識することなく過ごしてきたと思います。性による差別を受けたと感じたこともなく、それによって仕事がしづらくなったとの意識もありません。幸せなことだろうと思います。

 出産を経たことで、これまでなかった制約が確実に生じました。何時まででも仕事をしていることができたのが、そうはいかなくなりました。週末も使えません。仕事に使える時間は相当減りました。ただ、今の労働時間でも十分仕事はできると気づきました。仕事の仕方に問題があったと理解できるようになって良かったと思っています。

 数年前、働いても働いても仕事がなくならないどころか増える一方だと感じる日々を送りました。朝から晩まで、時には週末も使いながら、今日はいくつ目だという数の会議をこなしていたときがありました。そのときは、目の前の仕事を一つずつ片付けていくことで精一杯でしたが、今となってはそういう時間を経験できたのは良かったと思っています。もうそうした時間の使い方はできません。

 そんな日々を経て、さらには出産を経て、これからどうしていこうかと考えながら過ごすようになりました。男女共同参画セミナーでは女性教員にはロールモデルが少ないとの指摘があり、それは私自身にも当てはまっています。このような年齢・立場で出産を経験したことが非常にイレギュラーなので、モデルを求めることに無理があります。自分なりの在り方を模索する以外にありません。既に管理職という立場にある中、その道を突き進むのか、転向を模索するのか、考えどころですね。モデルがあろうとなかろうと、いずれ分岐点には立っていただろうと思います。

 出産という一大イベントがあったために考えるべきときがこのタイミングでやってきましたが、男性であってもこれからどうするかを考えるときは訪れるでしょう。性を意識しなければならなくなるときもあるかもしれませんが、なるべく普遍的な課題としてポジティブに考えていければと願っています。

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