鹿児島大学 鹿児島大学高等教育研究開発センター

専任教員ブログ

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「学生との向き合い方を考える研修会」を開催しました

 伊藤です。

 一昨日、「学生との向き合い方を考える研修会」を行いました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

 名付けておきながら「どうにもこなれない、キャッチ―でない名称だ」と終えた今でも思っているのですが、研修会の目的は読んで字のごとく、学生と教員がそれぞれの立場を踏まえつつ互いとの向き合い方を考える機会とすることにありました。学生あっての教育であり、学生の側でも教員の教育に向き合う姿勢や改善への努力について知ってほしいとの意図もありました。

 本企画は、前半は昨年度のベストティーチャー賞最優秀賞を受賞された吉満先生、坂尾先生のお2人からの情報提供、後半はグループ・ディスカッションという構成でした。運営者である私にとって後半は「滞りなく運営すること」「ディスカッションがうまく進んでいないグループがあれば声かけをすること」という役割があるため、自分が楽しむという感覚はあまり持てません。その一方、前半は1人の聴き手としてお話が聴けるので、非常に楽しみにしていましたし、実際にとても勉強になった楽しい時間でした。

 特に印象的だったのは、吉満先生の「評価は人をつくる」というキーフレーズと適切なカルテ記載を到達点と位置付ける考え方でした。学生が自身の現在地とそこから目標とする到達点との距離を的確に理解し、適切な方向に努力していくよう仕向けるには明確な目標を示す必要があるということ。そこでの目標とは、同時に何がどう評価されるかという基準という意味もあるということ。適切にカルテが記載できるということは、問題の所在、調べるべき内容と調べる方法、様式に則った書き方、わかりやすい書き方、といったひとつひとつができているということを示していること。アカデミック・ライティング教育に強い関心を持つ私にとっては、レポートの書き方を指導する際と共通する部分が非常に多く、自分自身の研究上の関心ともつながる点の多い示唆をたくさん得ることができました。

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 坂尾先生のお話からは、学生が受講する他の科目と如何に繋ぐかについて考えさせられました。自分が担当しているのは学生が数多く受講する科目の中の1つでしかなく、卒業要件124単位のうちの1単位もしくは2単位でしかないわけで、その中でできることは限られています。だからこそ、同時期に受けている他科目やその後の様々な学びにどう繋がっているのか。そもそも繋がっているのだということ自体をどう意識させればよいのか。常に意識はしているものの、なかなかこれというアイディアにたどり着けずにいます。模索し続けていくしかないのでしょうね。

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 貴重なお話をしてくださった吉満先生、坂尾先生には心より感謝申し上げます。とても楽しい時間をありがとうございました。勉強になりました。今後も、参加者にとって実りある企画かつ自分自身も得るものの多い企画が考えられればと思います。

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