鹿児島大学 鹿児島大学高等教育研究開発センター

専任教員ブログ

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文章生成AIに関する情報交換会を開催しました

 伊藤です。

 標記の件について、報告です。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

 今回は、2つの情報提供を踏まえ、「文章生成AIは学習の何をどのように支援するか」「それを踏まえ、教員は何をしておくべき/すべきか」という2つの問いに対する答えをゴールとしてグループ・ディスカッションを行いました。

 情報提供①は、共通教育の英語科目における試行調査の結果報告でした。あくまで試行的な取り組みだったため、得られたデータは多くはありません。それでも、実施した意義はあったと思います。ご協力いただいた先生方、ありがとうございました。

 私が意義を感じた点としては、現段階での英語科目での学生の使用状況の目安が持てたことです。何も材料がないとイメージを持つことも難しいです。特に英語科目の場合、学生の大半にとって母語でなく、生成AIは英語の精度の方が明らかに高いため、使うメリットが多いといえる状況です。そうした状況の中でどれくらいの学生が使用していると思われるかについてイメージが持てたのは、学生の現状と今後の対応を考えるうえで良かったと考えています。もちろん、試行調査の結果のみで全てを判断するつもりはありませんが。

 続く情報提供②は、生成AIに関するワーク・課題を踏まえての学生自身の生成AIに対する認識に関する調査結果が示されました。こちらも選択科目での取り組みなので、試行的な調査といえるかもしれませんが、現段階の学生が生成AIをどう捉えているかを垣間見る貴重な機会になりました。

 教員に求められる役割として、生成AIを適切に利用してもらうよう促していくことが挙げられます。その具体策を考えるに当たり、学生の認識を知ることができたのは良かったです。先ほどと同じく、今回得られた情報を全て鵜呑みにするわけにはいきません。本学学生ではあるもののそのごく一部の学生の認識でしかないことは承知しています。それでも、全く情報がない状況より、一部に関する情報だとしても、今後を考えるための材料が得られたことには価値があると思います。

 その後のグループ・ディスカッションではとても活発な情報交換が行われていました。正解がある問いではなく、また、まだ生成AIを触ったこともない参加者が約半数でしたが、それぞれの課題意識と懸念、可能性等、それぞれの意見交換を踏まえて認識を共有できたことには大きな意味があったと思います。

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 私自身、生成AIについて専門的な知識があるわけでは全くなく、ChatGPTを使ったことがあるとはいえ、使いこなしているわけではありません。数日に一度アイデア出し等を目的として使う程度です。立場上、一定の情報は必要だろうと考えていますので、積極的に関連情報を発信しているセミナーに参加してみたり、YouTubeを視聴してみたりして情報収集するようには努めていますが、おそらくこのような立場でなければ触ってすらいなかったと思います。怖いとは思っていませんが、特に必要性を感じてもいなかったでしょう。

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 それでも、学生は今後当たり前に使ってくると思っています。彼らにとってスマホの存在やインターネットが使えることが当たり前であるのと同じように、生成AIも日常的なツールの1つになるでしょう。となれば、教員の1人としてはそうした状況に対応せざるを得ません。とりあえず後期の授業で何をするか、何かするかを考えている段階でしかありませんが、生成AIの進歩のスピードにはついていけないとしても、置いていかれない程度には歩いていかなければと思っているところです。

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