鹿児島大学 鹿児島大学高等教育研究開発センター

専任教員ブログ

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教学IR研修会を開催しました

 伊藤です。

 標記の研修会を開催しました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

 今回は...反省ばかりです。もう少し情報を整理してお話しできれば良かったなという思いが9割、とりあえず言うことは言えたかなが1割でしょうか。資料作成の段階で気づけなかったのが情けない限りです。そんな反省は自分で解消するとして。

 今回は、教学IR研修会といいつつも、FDに求められることの変化(進展?)を受けてFDの変容(進展?)を促すことが目的でした。取り上げたのは授業アンケートですが、授業アンケートに限った話ではなく、FD全般にも適用できる話として考えていただければ、そして、行動を変えていっていただければ、というのが、FDの推進を業務として担う立場からの願いでした。
 FDに求められることの変化とは何か。FD企画を実施すれば良い、という段階は既に終わっているということ、企画を受けて何をどう改善して、どのような成果が得られたかを示すことが求められている、ということだと理解しています。学習についても何でも「成果」が求められているわけです。「そんなに簡単に成果など出せるものか!」と思わなくもありません。学習の成果など、いつどこでどのようにそれが現れるかなど保証できませんし。
 それでも、FDについていえば、特に授業アンケートについていえば、結果をまとめて可視化するだけで十分かというとそうではないと思うのです。それで何をどうするのですか、この結果を教育の改善にどう活かすのですか、というのは、自然に生まれる問いでもあると思うのです。それで成果が確実に得られることは保証できないとしても、結果を改善に活かすことまでは歩みを進める必要があると考えています。

 授業アンケートについては、その結果を教育改善に繋げるに当たり、教学IRという観点が出てくると思います。授業アンケート結果もひとつのデータですから、これを他のデータとつなぎ合わせることで課題を抽出できるかもしれません。数値データ以外でも、自由記述欄にも教育改善に活かせるものがある可能性は十分考えられます。アンケート結果をただの報告用データとして終わらせるのではなく、これを何かの改善に、課題の解決に活かすことを積極的に考えていただければと思っています。
 次回認証評価までまだしばらく間のある今の段階でこんな話をしてもなかなか響きにくいと思います。ただ、規則を作りさえクリアできるような話とは違い、FDの成果云々などという話は時間と蓄積が必要です。直前になって「成果を示せるようにしてください」とお願いしたところで間に合いません。数年前から少しずつ変えていって成果を出せるような仕組みにする、アピール材料になるような事例を蓄積する、といったことが必要になります。そのためには、「まだ先の話でしょ?」と思われるような段階から取り組まざるを得ないのです。

 本学に限らず、どこも教職員の数は減り、予算も厳しいまま、その一方ですべきとされる業務はひたすら増えるという八方塞がりの状況ではないでしょうか。そういう中で、FDを変えていかなければならないとすれば、それをいかに成し遂げていくか。労力を必要以上に増やすことなく、合理的にどう取り組んでいくかということに知恵を絞っていくことが、私のような立場にある人間に求められているのかもしれないと感じているところです。

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