鹿児島大学 鹿児島大学高等教育研究開発センター

専任教員ブログ

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地域人材育成プラットフォーム成果報告会を開催しました

 伊藤です。

 昨日、今年度の地域人材育成プラットフォーム成果報告会を開催しました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

 昨年度は予定していた当日大雪で延期となり、今年度も先週雪の予報が出たときはヒヤヒヤしました。結果として昨日は雨も朝には上がって非常に暖かい日和となり、一安心でした。

 地域人材育成プラットフォームには、3つのプログラムがあります。
 最も規模が大きいのが、地元就業を目指す学生を対象とした「かごしまキャリア教育プログラム」です。今回の成果報告会でも、報告者の3分の2はこのプログラムの修了予定者でした。県内企業や自治体でのインターンシップにおいて与えられた課題の解決に取り組みます。

 鹿児島が抱える様々な地域課題に対して理解を深め、その解決策を提案するのが「かごしま地域リサーチ・プログラム」です。奄美大島の大島紬や種子島の西之表市の安納芋を大きなテーマとして探究する学生が中心ですが、過去には奄美大島のコミュニティFMを取り上げた学生もいましたし、ここの学生の課題意識に基づいた探究活動に取り組んでいます。今年度は新たに錦江町でのフィールドワークも実施し、観光振興に頼らない街づくりについて探究を進めていく予定です。

 そして、鹿児島の課題についてグローバルな視点から探究を行うのが「かごしまグローバル教育プログラム」です。英語での学びを柱として学習を進め、オーストラリアでの実習に臨みます。英語で学ぶ機会が多いものの、このプログラムだけで英語力が向上するわけではありませんし、それだけを目指しているわけでもありません。鹿児島と実習先であるオーストラリアに共通する課題を見出し、一方の実践や経験値を踏まえてもう一方の課題の解決策を提案するなど、より広い視野から地域課題について考えられるようになることを重視しています。

 本学の場合、学生は必ずどこかの学部に所属していますので、その所属に応じた専門性の修得を目指します。それはそれとして重要ですが、その一方で、地域あるいは地域課題への関心を強く持つ学生にとっては、専門性の修得とは少し質の異なる学びの場があった方が、より高い成果を挙げられることもあると考えています。また、専門的な学びで得た知識やスキルを地域課題の解決に活かすこともできるということを、修了生たちは実証してくれています。
 地域人材育成プラットフォームにももちろん様々な課題はあり、それらの解決に継続して取り組んでいかなければなりません。ただ、どのように"改善"を図る場合でも、学生の学びをより豊かなものにし、より多くの成果が得られるようなものにしていく必要があります。現実問題としては、あちらを立てればこちらが...といったことも多く、改善は容易ではありませんが、少しでも学生の利益に資するプログラムへと発展させていければと願いつつ、今後もプログラムの改善に取り組みます。

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