鹿児島大学 鹿児島大学高等教育研究開発センター

専任教員ブログ

専任教員ブログ

鹿児島でしかできない学びを

 森です。

  私は「振り返り」をテーマに研究を行ってきたので、授業においても「振り返り」を至る所にデザインしています。
 その中の1つとして「なぜ"鹿児島"大学に来たのか?」を問うことがあります。ポイントは「大学に来た」ではなく「鹿児島大学に来た」である点です。学生にとって様々な理由がありますが、鹿児島大学に入学した以上は「鹿児島でしかできない学び」をして欲しいと思っています。

 先日、鹿児島大学でも地域人材育成プラットフォーム成果報告会が開催されました。鹿児島の地域や企業などを対象に、様々な観点で研究や活動を行ってきた学生が興味深い発表を行ってくれました。

 このような活動の背景には、MOOCやコロナ禍でより着目された遠隔授業などに関するテクノロジの発達が無関係ではありません。例えば、MOOCのようなサービスを使えば、どこにいても、どのような内容でも学ぶことが可能です。すなわち、極端な言い方をすれば、専門科目を学ぶためだけでは鹿児島大学に入学する必要はないことになり、その大学でしか学べないこと、その地域でしか学べないことにどれだけ関与できたかは、大学生の学びを深める1つのポイントと言えそうです。

 というわけで、学生の皆さんには、鹿児島の街を歩いて欲しいと思っていますし、離島や山間部にも目を向けて欲しいです。そしてより一層、地域を題材にした研究や活動に取り組んで欲しいなと思っています。

 一方で「では、私はそれを支援できているのか?」と考えることがあります。地域人材育成プラットフォーム・地域リサーチプログラムに携わるようになって数年経ちますが、地域の皆様に成果を還元できていると自信を持って言えないな...と思うところがあります。
 
 私が学生とフィールドワークに行く奄美大島では、大島紬の機屋さんや職人さん、組合の方々をはじめ多くの方に支えられてきました。また、なじみの青果店や飲食店もできました。そのようなお世話になった方々に少しでも還元したいとということで、3月に成果発表会を奄美大島で開催しようと準備しています。

 今年度は「令和5年度鹿児島大学地域活性化研究支援事業(若手研究者向け) 」の助成を受けて「モーションキャプチャを用いた大島紬職人の技術の定量化に関する研究」を進めてきました。今回は、地域リサーチプログラムの受講生で奄美大島でフィールドワークをした学生と一緒に成果報告会を奄美大島で開催します。

日時:3月15日(金)10:00〜16:00
場所:AiAiひろば 2F会議室(奄美市名瀬)

奄美大島現地報告会フライヤー.jpg

 まだ準備中でどのような報告会になるか不安もありますが、少しでも地域の皆さんと対話する機会になればと思っています。また、翌年度以降も現地での報告会が開催できるようにイベント化できれば...とも考えています。
 
 鹿児島でしかできない学びを支援し、それを地域に還元する。この活動をこれからも続けていきたいと思います。

つぶやき一覧へ