鹿児島大学 鹿児島大学高等教育研究開発センター

専任教員ブログ

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桃太郎フォーラム2024で登壇しました

 伊藤です。

 3連休が入ったので何だか時間がかなり経過した気がしますが、先週岡山大学で行われた桃太郎フォーラム2024に指定討論者として登壇させていただきました。テーマは「大学初年次に開設する全学必修科目への期待」ということで、九州大学、東京工業大学の先行事例と、2025年度開設予定の岡山大学のお話を伺い、論点を整理してパネル・ディスカッションという構成でした。指定討論者としての役割を十分果たせたかというと、個人的には非常に疑問というか、「あれで良かったのだろうか...」という思いがなくもないですが、とりあえず最低限の仕事はしたはず、と思っています。

 私は約10年前に本学で共通教育改革にかかわりました。やりたいも何もなく、とにかくやらなきゃいけない、考えなきゃいけないで、その頃は「100mのペースで100kmマラソン走ってる気がする」とか言っていました。仕事をしているはずなのに残っている仕事の量が全然減らないのはなぜだろうとか、よく思っていました。懐かしい。あの頃に否応なくキャパが拡大したので、その後、多少仕事量が増えても反応しなくなってしまいました。むしろ余裕があると落ち着かないくらいで、それはそれでどうなのかと思ってもいます。

 
ただ、あれから時間が経過した今、もっとその後にしておくべきことがあったかなと反省することが山ほどあります。改革案を立ててそれを動かすところまでは、100%満足のいくものではなかったけれど、 あのときはあれが精いっぱいだったと思っています。それでも、その後にできることがもっとあったと思うのです。

 成果検証のためのデータ収集をもっと積極的にすればよかったというのは言うまでもなく、ですが、何よりも、改革の意図とか進め方とかいった話を、その後マネジメントの役割を担う人たちに話をしておくべきでした。教育改革あるいはカリキュラム改革を進めるのであれば、押さえなければならないポイントがあるということ、考えるべきことを考えて具体化させていく手順、学部との関係・距離の保ち方など、やってみてわかったことがたくさんあります。それらをそのまま消してしまうのはもったいないなと感じています。

 この反省は、今また共通教育改革が計画されようとしていることで日々実感しています。あの後もう少し理解をしてもらう努力をしていれば、もう少し言葉が通じたのだろうか、といった感じですね。今は、何を言っても伝わる気がしません。なんだかむなしいなと思います。

 桃太郎フォーラムそのものはとても楽しく、いろいろな刺激を受けました。この機会を与えてくださった皆様には心から感謝しています。あの場が楽しかった分、元に戻っての日常がしんどく感じます。そうは言っても、なんですが。

 「おかあさーん!」と泣く子を置いて出かけ、帰ってきたら「今日はおうちに帰ってくるの?」と言われるという、産後初の平日12日出張でした。まだ息子に精神的、夫に実労働的負荷をかけるのでそうそう出かけることはできませんが、日常では得られない刺激を得る機会が持てればと思います。

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