専任教員ブログ
ご入学おめでとうございます
午前中に本学の2025年度入学式が行われました。入学された学生の皆さん、おめでとうございます。すべてはこれからです。
これからの4年ないしは6年、人によってはもっと長くなる学生生活を充実したものとするのか、いつの間にか終わってしまった期間とするの過は皆さん次第です。その間にどこまで自分を成長させられるかも皆さん次第です。ぼーっとしていると、時間はあっという間に過ぎていきます。積極的にといってもなかなか難しいので、とりあえず一歩踏み出してみる、とりあえず一言声を出してみることから始めましょう。自分と同じような状況の人は必ずいるし、助けてくれる人も必ずいます。
ただ、大学は「天は自ら助くる者を助く」の世界なので、「助けてください!」の一言が必要です。高い壁があって1人では乗り越えられそうにないとき、そこで立っているだけで乗り越えられるようにはなりません。親切に梯子を持ってくれる人もいないし、ドリルで壁を破壊してくれる人もいません。「助けてください!」と声をあげてみる。とにかく壁の周りをうろついて誰かいないか、何かないか探してみる。何か1つだけでもいいから、何かしてみましょう。そこから始まります。
さて、そんな日ですが、私個人が気になったニュースは入学式とは全く関係ありません。4日に東京大学が発表した新学部「UTokyo College of Design」です。70年ぶりの新学部とのことですが、その久々感はともかく。「9月入学」というところに、数年前に東大が秋入学に移行というニュースが取りざたされたことがあったなと思い出しました。ぐるぐるっと回って、あの話は1つの学部の話になったのかな、と。
【 UTokyo College of Design公式サイト】
https://design.adm.u-tokyo.ac.jp/
それ以外では、定員100人で半数は外国人留学生を想定とのこと。これは、地方国立大学にいるからそう思うのかもしれませんが、学士課程の留学生というのはそんなに来るものなのでしょうか。つまり、ニーズの有無がわかりません。自分が学士課程の学生だった頃でも学士課程の留学生というのは非常に少なく、留学生といえば大学院生というイメージでした。東大が公表している留学生数を見ても、明らかに大学院生のほうが比率が高いです。そういう中で、この新学部にやってくる留学生としてどんな人が想定されているのかなと思ったわけです。あえて日本の、東大の、新学部に留学生しようと思うのはどんな人なんでしょうね。
それと、留学生とは逆の半数を占めることになる日本人学生についても、どんな人が想定されているのかなと。海外の大学に行くのではなく、日本の、東大の、留学生比率の高い新学部で学ぼうとするのはどんな人なんだろうかと。日本で学びたいと思っている外国人留学生にとっては日本に来て、日本人学生が数多くいる環境の中で学ぶ意義が見出しやすいとしても、外国人とコミュニケーションを取りながら学びたいと考えている日本人学生にとって、その場が日本であることの意味や利点というのは何だろうかと考えました。
私の日常にはまるで関係ありませんが、日本の人口規模が縮小していく中、大学は何をどうして生き残りを図っていくかと考えるうえで、いろいろ考えさせられるニュースです。