専任教員ブログ
教職課程の必要単位見直し
伊藤です。
しばらく間が空きましたが、何をしていたかというと、いろいろしていました。いろいろとしか言いようがないというのが私の立場です。機密事項があるわけではなく、細々といろいろありすぎて、挙げていけばキリがないという感じです。
さて、標記のニュースが出ました。私は教職科目を1つ担当しているという程度にしか教職課程とのかかわりはありませんが、本当にそれで大丈夫なのかという疑問は浮かびます。教員の質保証とは逆行する動きだと思うのですが、その辺りの整合性はどうとられるのでしょうか。
教員採用試験の受験者数減少・倍率低下は深刻です。そもそも若年人口は減少しているので、受験者数が減少するのは避けようがないところもあると思いますが、どう考えても問題はそれだけではないですよね。教員のブラック労働ぶりが報道されている影響もあるでしょうし、景気が良いときには希望者が減るというのも昔からある話なので、売り手市場というのも状況を厳しくさせる要因だと思います。
だからといって、必要単位見直しで何とかできるかというと、どうにもそうは思えません。多様な人材の確保という謳い文句は良いとしても、必要単位の見直しで反応するのは必要単位をそろえるのが大変だという理由で教職を諦めた人だけではないでしょうか。そういう学生はいないわけではありませんが、相当数というほどでもないと思います。多様な人材の確保が目的だというのであれば、別の枠組みを作る方が建設的な気がします。既存の枠組みを中途半端にいじってそこにこれまでとは異なる資質の人を入れ込もうとすると、結果としてはどちらも中途半端になるだけな気がしてなりません。
また、教員の質の保証もそれはそれで重要な課題です。教員は決して誰でも良いものではなく、誰でもなれるものであるべきでもありません。単位数がすべてだとは言いませんが、その時々の必要性を考慮して今の教職課程ができているはずで、要らないものがあるとはちょっと考えられません。単位数見直しが行われれば、はじかれる分野や内容が必ず出てきます。はじき出さなければならないほど問題のある内容などあるのでしょうか。
教員養成を何とかしなければという出発点は間違っていないはずなのに、なぜそちらに行くのかなと思わざるを得ない話にまた全国の大学が振り回され、楽しくもなく、生産性もない仕事が増えると思うと、既に始まった梅雨のように憂鬱です。