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専任教員ブログ

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前期の授業が終わりました

 伊藤です。

 前期の授業が終わり、あとはレポートの採点を残すのみです。今期は合計約550人分です。来年度は減らします。

 今期は、授業そのものについて考えさせられたり悩んだりということはありませんでした。ただ、たまたま自分が担当する授業・クラスにいたというだけの学生にどこまでアプローチすべきかということについては、ちょっと考えさせられました。
 このまま放っておくと進級できない、場合によっては大学を辞めかねない、という学生に時々遭遇します。授業に来なくなったので連絡を取ったら本当に辞めようとしていたという学生もいましたし、授業期間終了後にも自分の今後について相談にやってきた学生もいました。
 授業という場しか接点がないから学生にとって気楽という場合もあると思いますし、こちらも相談されれば可能な範囲で対応しますが、その範囲とはどこまでなのかという線引きは迷います。一応、担任教員がいるとはいえ、高校までの担任とはどう考えても意味が異なるので、担任に知らせるべきなのかどうかなど、迷うポイントがたくさんあります。難しいなと改めて思ったりしています。

 さて、前回の投稿からの間に大学に関わるいろいろな話題がありました。

 マスコミをにぎわせたのは静岡県伊東市長の学歴詐称問題でしょうか。これを大学に関わる話題に含めるべきかにはいろいろな考え方があると思いますが、大学を卒業しているのかどうかが問題にされているわけなので、少なくとも無関係ではありません。
 この話題でわからないのは、市長がなぜ自分の学歴を大卒としたのかということですね。わざわざ大卒だと言わなければ良かったのになぜ言ったのか。大卒か大学除籍かで選挙の結果は変わり得るのでしょうか。大卒という学歴には相応の意味があると思いたいところですが、例えば市長選挙に出馬するに当たって大卒という学歴がある候補者とない候補者がいたとき、大卒者の方が有権者から高い評価を受けるのだとすれば、有権者は大卒者であることにどのような意味を見出しているのだろうかと考えさせられました。

 あとは、前に少し書いた武庫川女子大学については、署名活動も行われましたが、結局法人としては共学化して武庫川大学にするという結論に至ったようですね。危機感を考えればわからない判断ではないものの、なぜ年度当初のこんなタイミングだったのか、もう少し決定のタイミングを考えることはできなかったのかという点には疑問が残ります。在校生の皆さんが不信感をもって卒業したり退学したりといったことにならないことを願うばかりです。

 18歳人口は減少の一途なので、大学入学者が今のようなモデルのままでは早晩立ち行かなくなるのは明白です。女子大学だから大変などと言っていられるのもある意味今のうちだけで、教学でも基本的な状況は同じですし、国立大学もこれからその荒波の中に取り込まれていくのでしょう。大学で働く身としては自分の職場に生き残ってもらわないと困るのですが、大学を研究対象としている立場からは、大学の在り方やその意味するところが大きく変わるかもしれない場面に立ち会えることを面白がる気持ちもあります。息子が18歳になるころ、大学は、社会はどうなっているのだろうと、不安もなくはないものの、ちょっとワクワクしながら見ているところもあります。

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