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専任教員ブログ

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理系人材育成拠点整備事業という話

 伊藤です。

 

 ここ最近、東大五月祭中止などの出来事や今年度の年内に実施される大学入試のうち、総合型選抜や学校推薦型選抜では面接が必須となるとの報道がありました。いろいろありすぎて追いつけていませんが、ちょっと間ができたので。

 

 小中高校生の理系教育に取り組む拠点を全都道府県に整備するとのことで、大学や高専を対象とした公募による補助事業とのことですね。全都道府県に整備となると、鹿児島県で圧倒的に規模が大きい本学は無関係ではいられないのではないかと思わずにはいられません。では嬉しいかというと、決して嬉しくはありません。なぜか。


 補助事業はいずれ自前での運営を求められるので、補助期間中に自主財源を確保しなければならないのですが、予算は減る一方なので、どこにどう財源を見つけたらよいのか、全く思いつかないからです。仕事だけが増えてさらに疲弊する未来を想像して、毒饅頭どころではないなと思ってしまうということでしょうか。

 

 理系人材育成がもちろん重要だと思います。ただ、理系人材「だけ」が重要かといえばそんなことはありません。どんな分野にもニーズはありますし、そもそも特定分野の知識だけでできる仕事などあるのか、甚だ疑問です。例えば、現在大学教育における重要かつ非常に難しい問題のひとつが学生の不適切な生成AI使用への対応ですが、生成AIを適切に活用してもらうために、さらには生成AIが吐き出した内容の正誤を的確に判断したり、文章が生成AIによるものなのかを見分けたりする能力は、「理系の能力」というものではないと思います。理系と文系を必要以上に分断してとらえることそのものに伴う問題もあるのではないでしょうか。

 

 今回の補助事業については、詳細がわからないので現段階では何とも言えませんが、理系人材育成だからといって偏った知識を教授する話にならないことを願いますし、おそらく無関係ではいられないであろう大学側の人間としては、負荷ばかりが上がる話にならないことを願うばかりです。

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