専任教員ブログ
鹿児島科学技術コンソーシアムの協定締結式が行われました
伊藤です。
標記の件について、滞りなく行われたようで、とりあえず一区切りかなと感じています。本学も協定を結んだ一機関であり、式典には学長が参加されました。つまり、私自身は式典の当事者ではないわけですが、それでなぜ一区切りと言っているかというと。
そもそもこのコンソーシアムは、県内高校の「探究」の充実を目指して鹿児島県教育庁高校教育課が中心となって立ち上げられたものです。SSHの経験値を横展開して他の高校の底上げを図ること、それにとどまらずさらに発展させていくこと、そのために大学や企業の力も借りるということで、本学も一機関としてコンソーシアムに加盟するに至っています。
私個人の「探究」への関わりは、2年前の今の時期に鶴丸高校にお邪魔して、灼熱の体育館で1,2年生の皆さんに講演させていただいたところから始まっています。 そこから、県内高校の「探究」に関わる状況について知り、本学としても放っておくわけにもいかないと感じ、あれやこれやと動き、学内では学生や教員に調査を行って情報を集めたり、一方では高校教育課の担当の方々と意見交換をして「探究とは何ぞや?」で困っている高校のサポートができないかと動いてみたりしました。そんなわけで、何となく一区切りという気持ちになっています。実際はむしろこれからなのでしょうけれどね。
さて、これからを考えるにあたり、本学として考えるところがいろいろあります。県内で突出して規模の大きい国立大学として、本学が担うべき役割は重々承知しつつ、そうは言われても何もかもはできないし、やるべきでもないよね?というところもあると感じています。
大学を取り巻く状況はひたすら厳しくなっていく一方、具体的には人も予算も減る一方です。運営費交付金が減額されている背景には本学に対する評価の結果ももちろんあるわけですが、そもそもその評価自体についても、評価指標などに疑問も感じています。がしかし、そうした疑問は疑問としても、現実としては人も予算も減っているわけです。
そうした中、なぜか仕事は増えていくのもこれまた現実です。しなければならないことは増えるのに、人も予算も減っていく状況というのは、一体何をどうすればよいのやら、です。
この現実の中、高校の「探究」にどこまでコミットしたものか、まだ距離感を測りかねているところがあります。基本的には高校の取り組みであって、大学が主体ではないものです。大学にできるのはサポートであり、大学があれもこれも手取り足取りすべきものでもないでしょう。ですから、何をどこまでサポートしたものか、というのは、まだうまく自分の中で答えを見つけられずにいる課題です。
例えば、「探究」の指導で本学教員に声がかかること自体は悪いことではなく、教員本人が積極的に関わりたいと考えているのであればそれで全く問題はないわけですが、大学ありきで「探究」を考えるとなると、大学が近隣にない地域との間にどうしても差が生じます。そんな不公平は制度として望ましいものではないはずなので、だとしたら「探究」への大学の積極的な関与というのは、ただただ望ましいものと考えて良いのだろうかと思うわけです。
あとは、自分が引き受けている「探究とは何ぞや?」に関する研修会についても、私がやっていて良いのか、という部分がなくもないです。高校の取り組みについて、しかも、既に高校で行われている取り組みについて、高校関係者ではない私が説明していて良いのか?という疑問があるわけです。
コンソーシアムが定着すれば、そうした研修会は高校教育課がアレンジすることになるのかもしれませんし、大学教員の関与の仕方についても今とは変わってくるのかもしれません。決して関わりたくないと思っているわけではなく、持続可能性を考えたときに何をどこまで大学が関わるのが良いか、これから高校との間で良い塩梅を作り上げていくのかな、そのプロセスの中での一区切りかな、と感じているところです。

