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平成25年度後期「授業改善メモ」のまとめ
【授業改善に向けての試みや工夫】(文責:歯学部 菊地聖史)
授業改善メモに記載されていた様々な試みや工夫の中から、一般的に役立つと思われる記述を高等教育研究開発部会の委員が分担して抽出し、さらに、文責者の判断で次の5項目に分類した。なお、整理の都合上、表現を簡素化したり、類似の記述はまとめたりするなどの編集を行っている。また、分類が必ずしも適切ではないかもしれないが、ご容赦いただきたい。
- 学生に授業への興味を持たせ、参加を促すための試みや工夫
- 学生からフィードバックを得て、それを活用するための試みや工夫
- 資料等に関する試みや工夫
- Moodleに関する試みや工夫
- その他、教育効果を高めるための試みや工夫など
1.学生に授業への興味を持たせ、参加を促すための試みや工夫
- 学生が興味を持つようなテーマを設定する。
- 学生に役立つようなテーマを設定する。
- 一定のテーマを決めずにテーマから学生に考えさせる。
- 学部に合った内容を取り扱う。
- 授業が単調にならないようにする。
- パワーポイントやビデオなどの視聴覚教材を使用する。
- 最新の話題や具体的事例などを取り入れる。
- 教材に関連した幅広い話題を提供する。
- 座学だけでなく、体験実習を行う。
- 専門家などから現場の声を直に聞く機会を設ける。
- 学生が自らの意見や疑問点などを発言できる機会を設ける。
- 授業中に発表や意見交換の機会を設ける。
- ペアワークやグループワークなど、共同作業を行わせる。
- ロールプレイを取り入れる。
- 教員が話す時間を減らし、学生が話す時間を増やす。
- 学生に相互評価させる。
2.学生からフィードバックを得て、それを活用するための試みや工夫
- 質疑応答の時間を設ける。
- 質問をして内容理解の確認をする。
- 分からない学生がいないか確認をしながら進める。
- 授業の最後に確認テストを実施する。
- 授業の最初に復習テストを実施する。
- フィードバックシートや出席票に授業の感想や質問、要望などを記入させる。
- 双方向の授業形態によって受講生の不満や問題点を掌握する。
- 中間アンケートに率直に記入してもらう。
- 中間テストを行う。
- 顔を合わさずに質問できる場も設ける。
- 学生が質問や相談をしやすい雰囲気を作る。
- 次回の授業で質問に答えたり、補足説明したりする。
- 学生の質問や意見、要望等を授業に取り入れる。
- 宿題を出し、コメント付きで返却したり、授業中にコメントしたりする。
- 助言や指導のための時間を確保する。
- 成績不良者へ個別指導する。
3.資料等に関する試みや工夫
- 授業で用いるスライドと同じ内容の資料を配布する。
- 必要に応じて資料に書き込めるように配慮する。
- できるだけ多くの画像資料を用いる。
- カラーの資料を用意する。
- 最新のデータや分かりやすい図表を用いる。
- パワーポイントを効率的に利用しつつ、受け身にならないようにレジュメも組み合わせる。
- 例示に用いるデータは、なるべく異なる専攻分野の学生が全員興味を持つようなものにする。
- 穴埋め式の資料を配布する。
- 問題演習だけでなく、ワークシートも使用して、授業にメリハリをつける。
- 各自が発展的な学習に結びつけることができるように参考資料を紹介する。
4.Moodleに関する試みや工夫
- 授業で説明したスライドや資料、課題やその結果等をすべて公開する。
- 授業内容を補うための多くの資料を掲載する。
- 資料は必須なものと高度なものの別を明示し、学生のレベルに応じて活用できるように配慮する。
- 活動記録(授業内容やプリントに対する感想や質問、練習問題の進捗状況など)を書かせ、それらに対して可能な限りコメントを返す。
- 授業に対する質問や意見を提出させ、そのすべてに対してコメントを加え、さらに、それらを全受講生が閲覧できるようにする。
- 教員コメントを閲覧したかを確認する復習確認の義務を課す。
- レポートを提出させ、評価点をつけて返す。
- レポートの提出状況や評価を学生自身が確認できるようにする。
- 毎回の小テストや練習問題の詳しい解説を載せる。
- Moodle上でのディスカッションを利用する。
- 国際的な催し、留学、研修の案内などを紹介する。
5.その他、教育効果を高めるための試みや工夫など
- 学生のレベルに合った易しめのテキストを用いる。
- 時間内でテキストをすべて終わらせるのは難しいため、時々学生に授業で取り上げる項目を選ばせる。
- 予習課題として次回の講義内容のキーワードを調べさせ、まとめたものを提出させる。
- 予習課題の成績評価を行うことにより予習を促す。
- 予習を指示し、次回に小テストを実施する。
- 小テストを授業時間内にTAに採点してもらい終了時に返却する。
- 毎回あるいは随時、授業の到達目標を示す。
- 毎回復習しながら、新しい項目を導入する。
- 1回の授業の新しい学習項目を2つまでに抑える。
- 到達度が学生自身で分かるよう、レポートを課す。
- レポートの取り組み方に自由度を持たせ、個々の学生が能力を発揮できる可能性を提供する。
- 復習テストや中間テストを実施する。
- 当たり前のことを当たり前に実施する(ノートを見ずに講義する)。
- 学部を越えて誰とでも活動できる座席とする。
- 語学だけでなく、文化も教える。
- 教員自身が学生時代に苦手な点をどのように克服していったかを話す。
- 複数の教員のオムニバスにより、資格取得に必修化された科目の範囲をカバーする。
- オムニバス形式の授業においては、担当教員間で意見交換を行う。
- 毎回最初に、「あなた自身が、当事者でこういう状況の時、どう判断し、どう行動するか」という形の設定課題を出す。これによって、その回の講義内容の必要性や意義について、各学生が理解しやすくなる。また、同じ設定課題に最後にも回答してもらい、学生の判断がどう変わるかを集計し、次回紹介する。
- 複数の教育内容をバランスよく複合的に教授できる様に、授業内容や時間配分に気をつける。
- 知識を得るだけでなく、自分の語学のスキルを上げていくための方法について紹介する。
- 自己の語学力向上に努力する。
- パソコンの実習だと学生は聞いているふりをして何もしない場合があるので、授業内容を細かにファイルに保存させ提出させる。
【授業改善に関連した意見・要望等】(文責:医学部 下敷領須美子)
授業改善メモに記載されていた内容の集約方法については、前項の「授業改善に向けての試みや工夫」と同様である。ここでは、授業改善に関連した意見・要望等に記されていた内容について、文責者の判断で、意見の多かった順に5項目に分類し、紙面の関係上、表現を簡素化し、類似の記述はまとめた。また、分類・意見要約が必ずしも適切でないかもしれないが、ご容赦いただきたい。
1.学生アンケートと授業改善メモに関して
- 学生アンケート集計時、授業内容が異なるもの(例えば、実習Ⅰと実習Ⅱ)を一緒にすると分析しにくい。
- 知識を与えるのではなく、スキルを教える外国語授業用のアンケートをおこなってはどうか。
- 学生のアンケート結果をみることは、自分の授業の反省や改善に役立つ。
- 内容が易しくレポートや試験などの負担が少ない授業のアンケート結果が高くなる傾向も見受けられるため、教員の授業見学シートの活用など、異なった視点からの取り組みも必要。
- 授業中に告知したがアンケートの回答が少なかった。授業時間を割いてまでしたくない。
- 授業の質は教員に依存している現状であるため評判の良い授業はこの授業改善メモの提出を免除してもらいたい。
- このアンケートは役に立たない。
- このアンケートも教員の負担が増えているだけではないか?
- 授業改善メモは授業を客観的に振り返るよい機会となっている。続けてほしい。
2.組織的取組みによる教育改善の提案
- TOEIC、英検などの基準を設け、卒業要件とする。
- クラス編成を学力(習熟度)別にする。
- 教育センターで「反転授業」について議論してみたらどうか。
- 各科目分類での教員間の意見交換があると良い。
- 学生の自習時間の不足について対策を考える。
3.備品等環境整備の要望
- スクリーンを使用しても板書できるよう移動式ホワイトボードを備えてほしい。
- タブレット端末を接続したいので、HDMI端子で接続できるようになると助かる。
- 教室において、机や椅子の配置、形状、教師の位置等は、授業を左右する大きな要素である。キャスター付きの机、椅子等、自在で多様な教室空間が作れる「可動式」の教室が導入されることを望む。(事務部から整備を検討しているとの返答)
4.情報提供の要望
- 共通教育改革について非常勤講師にも知らせてほしい。
- 優秀な教員の授業を見学したい。
5.その他
- 教科書を教員が自由に選定できるようにしてほしい。(英語)
- 授業準備に費やす時間の確保のために、教員一人当たりのコマ数を減らす、無駄な会議を無くす。
以上のように、授業改善に関するさまざまな意見が寄せられた。「1.学生アンケート・授業改善メモに関して」は、実施について疑問の意見もあったが、具体的な方法改善の意見、授業改善に活かされているという意見もあった。統一的に行うことで生ずる負担感と内容・方法の制約への対応が課題となる。「2. 組織的取組みによる教育改善の提案」には、具体的な提案が記され、教育センターによる検討だけでなく、教員間の意見交換につなげたい。「3.備品等環境整備の要望」は、個別の意見ではあるが、アンケートによって吸い上げられ、検討・対応することで教育全般の改善につながる。「4.情報提供の要望」は、教育改革に関する情報の浸透が不十分であることを示している。共通教育に関わらない教員は、さらに、情報への関心も低くなりがちで全学的な教員の参画を促すためには、更なる情報共有が必要と思われる。
掲載日:平成26年6月30日
編 集:学生部教務課教育推進係
鹿児島大学教育センター高等教育研究開発部会