令和元年度前期「大学と地域」
1.受講生が取り組む授業時間外学習の週平均時間
○6割以上が全く学習しておらず、30分未満を合わせると90%に及ぶ点は反省しなけれ
ばならない。ただし、授業の構成上テキストに向き合うなどの授業時間外学習は想定
されていないことから、授業で扱われているテーマに対して日頃から関心を向け、考
える習慣を身に付けられるような意識付けをしていきたい。
○授業外学習のテーマを設定していないからとはいえ、全く学習(ここでは例えば、関
連報道・記事・文献を調べてみること)をしないのが半数以上にも及ぶ。授業が扱う
関心度の指標なのか、授業の目的・趣旨を理解できていない受講生が結構いるのかも
しれない。
2.受講生が実感する学習成果
○授業時間外学習時間が極めて少ないにもかかわらず学習成果が得られたと考える受講
生が90%に及ぶのは不可解だが、地域に関する話題を題材にしてものの見方や考え方
を修得させることができるよう今後も改善を図る。
○専門家による解説の効果は非常に大きいと思われる。一部学習成果に対して否定的な
受講生がいるが、全く学習していない受講生の数とほぼ同じことから、授業外学習時間
(多分関心度)と学習成果とが直結していると思われる。
3.授業時間中における講義内容に対する自主的な考察・取り組み
○講師が一方的に講義を行う形式の授業ではあるが、多くの受講生は聴講しながら自主
的に考察をやっていた模様。講義内容を理解すると共に、この講義を受講することの
意義や今後への応用・適用まで発想を深めることを促す様な問いかけをしていきたい。
4.授業に対する総合的評価や受講生から指摘された点
○総合的評価は高かったが、必ずしもすべての受講生がこの講義の意義を理解できた
わけではなかったので、その点については今後改善を図る。
5.その他
○初めて授業担当者となった。試行錯誤的ではあるが、ファシリテーション・スキルを
活用した場づくりを重視してみた。まず、授業開始前の休み時間等に、授業担当者か
ら受講生に伝えたいこと(授業シートの記入内容へのコメント、大学と地域で求めら
れていること、初年次セミナーとの連携、レポート作成に向けたヒント等)をパワー
ポイントのスライドとし、自動再生した。また、話題提供者と事前に打ち合わせを行
い、話を聴く時間をやや縮小させてもらい、ペアワークないしグループワークを毎回
取り入れた。ペアやグループという場づくりには、チェックインという手法を独自に
アレンジして活用した。ペアワークないしグループワークでは、第1ステップとして
講義内容の確認をしてもらった。第2ステップでは、話題提供者に対する質問を作っ
てもらい、それをresponを活用してmanabaにアップしてもらった。manabaにアッ
プされた質問をスクリーンに投影し、授業担当者が選択しつつ、話題提供者には時間
の許す限り解説してもらった。質問する勇気が持てない受講生であっても、授業への
参加意識を高められたのではないか。この手法は、受講生と話題提供者の双方に評価
されたようである。受講生からは、「チェックインは必要」「質問しやすい」「他学
部の学生と話せた」「普段なら質問できないのに、2回も質問が取り上げられたのが
うれしかった」等、授業形式を評価する回答が大半であった。