令和元年度前期「情報活用」
1.受講生が取り組む授業時間外学習の週平均時間
○PCのおおよその使用方法の基礎をもっている学生が大半になっており、課題を作成す
るのに要する時間が短くなっているようである。より高度の内容を入れることも検討
する。
2.授業時間中における講義内容に対する自主的な考察・取り組み
○「まったく促していない」と感じる学生は確認できなかった。どこをクリックするのか
などその時間に行わなければならない作業内容はテキストを見れば明らかであるため、
数字やグラフの意味などを受講生が自主的に考察する機会を提供することは必須であ
ろう。
○教員が「積極的に促していた」「おおむね促していた」で93%に達しており、学生は
自主的な考察・取り組みを促されたと感じた学生が大半であった。したがって学生が
自主的に取り組んでいたと考えられる。一方、「あまり促していなかった」「全く促
していなかった」が7%だった。課題が簡単という学生か、うまく取り組めなかった
学生と思われる。TAがいるのでTAに学生の様子を注意深く観察してもらうなども行い、
このような学生へのケアを充実させるよう検討する。
3.授業に対する総合的評価や受講生から指摘された点
○おおむね良いという評価が多かった。その一方で、受講生は改善点として「課題が多
いこと」や「授業進度が速いこと」を挙げている。課題の量に関しては、授業外学習
時間を考慮すれば、過度に多いとは言えないと考える。また授業進度はペースが調度
良いと感じた学生も複数いるため、設定は難しいところである。ただ、授業中課題を
こなせなかったことを理由に授業展開に後れを取る学生は確認できてない。また、残
念ながら授業内容の高度化を求める学生はいなかった。
さらにTAの存在によって学生の理解が深められたこともアンケートから確認できた。
そのため、複数名のTAが授業に参加することの教育的意義は極めて高い。
○課題として出来上がりのものを提示し、同じものを作成するという形式で進めた。操
作法に関する事前の説明は最小限にし、自ら調べることを促した。「とても良かった」
「おおむね良かった」で90%であり、評価はよかったものの、説明が十分ではないと
指摘した学生が目立った。フラストレーションを抱えた学生がいたようであるが、上
記の課題実施中に質問する学生はほとんどいなかった。情報活用に関しては、教科書
等以外にもインターネット上に情報が豊富にあることから、使用方法を説明すること
は極力控え、学生自ら検索・調査することが重要と説明してきた。自ら操作法を調べ、
自分のスキルをバージョンアップしていけることの重要性を粘り強く説明し、説明が
少なくとも学生が拒絶反応を示さないよう、うまくバランスをとって進めたい。
○情報活用はもともと学生間のスキルのバラつきが大きく、特に近年増加しているスキ
ルの高い学生を飽きさせない必要もある。そのため、クラス運営が難しいが、進度が
早すぎると感じる学生には練習問題等を伴う予習復習を促すことで、授業にキャッチ
アップできる体制を一層整備していきたい。
4.その他
○現状では学生の実感ベースの情報によって改善を考えるだけであるが、学生の特性
を考慮できるデータがあればこちらも対応しやすい。たとえば、出席率やシラバス
の通読の有無(到達目標に対する理解)、学生本人の苦手意識、素点などの情報が
あれば、どのような学生が授業内容を理解しやすいのか/理解しにくいのかを明瞭
にできるので、教員は授業を改善しやすい。本人が授業を理解したと感じていても、
期末試験などの素点が高くないことやその逆も十分あり得る。
○質問項目1.5「この授業でよかった点は何ですか。」において、6割以上の学生から、
「PCの基本的な操作を学べた、今後役立つ知識・技能などを得られた、・・・」など
の感想が多くあった。
アンケートに回答した人数をみると、授業にほぼ毎回出席している学生数と同程度
であり、アンケートの回答率が高くこれを維持して行ければ良いなと感じた。