トップページお知らせ国際島嶼教育研究センター第217回研究会 「日本列島南西縁地域の人類史研究 ―ヒトの移動誌と文化多様性への考古学的アプローチ―」

国際島嶼教育研究センター第217回研究会 「日本列島南西縁地域の人類史研究 ―ヒトの移動誌と文化多様性への考古学的アプローチ―」

[22.02.21]

「日本列島南西縁地域の人類史研究
―ヒトの移動誌と文化多様性への考古学的アプローチ―」
山極海嗣(琉球大学島嶼地域科学研究所)

〔事前申し込み〕有 
〔申込先〕sotayama@cpi.kagoshima-u.ac.jp (担当:山本)
〔申し込み締切〕3/3(木)
〔参加費〕無料。通信費は参加者負担


【日時】令和437日(月)
【場所】WEB(Zoom
【要旨】
日本列島の南西には大小さまざまな島で構成される琉球列島(あるいは南西諸島や琉球弧)と呼称する地域がある。琉球列島はさらに地理的に2~3の地域に区分することができ、その中で最も南西縁に位置する地域は南琉球(あるいは先島諸島や宮古・八重山諸島)と呼ばれている。南琉球は沖縄諸島以北の琉球列島とも異なる文化や歴史を有しており、言語や遺伝的な特徴においても地域的な特色を持っていることが明らかにされている。こうした特徴は、南琉球の人びとが他の地域とは異なる人類史を有していたことを示唆している。特に本地域は中国大陸や台湾・フィリピンなど東南アジア島嶼部とも海を隔てて接する地理にあることから、こうした周辺地域との間での歴史的な人や文化の移動・交流が注目されており、さらに、非常に古い年代(約3万年前)の化石人骨が発見されたことでより古い段階からの集団的系統や起源は大きな焦点となっている。一方で、南琉球では単純な起源関係では説明が難しいユニークな文化的特徴も確認されており、これに対しては環境的な特異性や多様性とそれに対する適応的な行動といった、この地域で特異的な文化が形成される過程やメカニズムにアプローチする研究も新たに示されている。本発表では日本列島の南西縁に位置する南琉球の地域特異的な人類史と、その背景にある人の移動誌や文化多様性形成にアプローチする近年の考古学的研究や状況について紹介し、今後のより多角的な島嶼研究についての展望や議論に繋げたいと考える。

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