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【島嶼研】第231回研究会のご案内

[23.06.27]

【日時】 令和5年7月18日(火) 16:30~18:00
【会場】 総合教育研究棟5階 国際島嶼教育研究センター会議室およびオンライン(Zoom)

一色次郎研究の現在
 鈴木優作(鹿児島大学法文学部附属「鹿児島の近現代」教育研究センター)

【要旨】
 本発表では、沖永良部島出身の作家・一色次郎(1916-1988)の研究状況について述べる。一色は、「冬の旅」(1949年)および『孤雁』(1961年)で二度の直木賞候補となり、1967年に「青幻記」により第3回太宰治賞を受賞し、1973年に映画化され、海外諸国でも上映された。以後も共編『東京大空襲・戦災誌』(1974年)で菊池寛賞、『サンゴしょうに飛び出せ』(1975年)で産経児童出版文化賞を受賞した。以上のように存命中に活躍した作家であるにもかかわらず、現在沖永良部でも一色を知る人は多くなく、文学史においても顧みられることがほとんどない。発表者は、一色次郎の研究を推進し再評価の機運を高めていきたいと考えている。
まず、これまでの一色をめぐる言説が、結核を患った母との交流をテーマとした「青幻記」、および父の冤罪と死を扱った「太陽と鎖」(1964年)に集中しており、一色文学が「青幻記」以前‐以後という区分で一般に認識されていることを指摘する。つぎに発表者は総体的に一色文学を捉えるため、新たなより詳しい時代区分を提唱する。①出発点としての、19-20歳にかけて出版した二点の創作集②「青幻記」受賞以前の少年少女向け偉人伝記・冒険小説③②と同時期に文芸誌に執筆した純文学作品④「青幻記」⑤「青幻記」以降、「魔性」(1979年)など自ら参加した死刑廃止運動と関わる作品。
加えて、沖永良部島での調査を含む、一色の一次資料調査の成果について紹介をしたい。

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【申し込み方法】7月13日(木)までにお申し込みください。
 対面式:shimaken@cpi.kagoshima-u.ac.jpまたは099-285-7394へ(担当:大塚)
 オンラインZoom: yotsuka@cpi.kagoshima-u.ac.jpへ(担当:大塚) 

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