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【島嶼研】第237回研究会のご案内

[24.02.28]

国際島嶼教育研究センターでは第237回研究会を開催いたしますのでお知らせします。
詳細は以下をご覧ください。

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(PDFはこちら


【詳細】
日時:令和6年3月18日(月)16時30分~18時 
会場:総合教育研究棟5階 国際島嶼教育研究センター会議室およびオンライン(Zoom)
演題:自然と調和した可能性のある島(?)先史時代の奄美・沖縄諸島
講師:髙宮広土(鹿児島大学国際島嶼教育研究センター)

【要旨】
「先史時代」とはヒトは存在するが文字のない時代のことを言う。すなわち、厳密に言えば、歴史時代とは文字を伴う時代のことである。さて、奄美・沖縄諸島の先史時代は一般的に旧石器時代(3万年前〜1万年前)、貝塚時代(1万年前?〜1000年前)およびグスク時代(11世紀後半〜15世紀)から構成されている。この地域の先史時代を世界的なレベルで他の島々と比較すると他地域の島々の先史時代には存在しない大変珍しい文化現象がいくつかあったことが最近の研究で示唆されている。今回の発表ではそのうちの一つである「自然と調和した可能性のある島(?)」について紹介したい。
島嶼環境を研究する研究者の島の環境に関する意見は「島の環境は大変脆弱である」ということである。この点は現代だけではなく、過去にも当てはまる。島が成立してそこに植物や動物が植民し、何万年あるいは何千万年という長い時を経て、バランスの取れた環境が創造される。そこに新しい種が植民すると島の環境は最も簡単にそのバランスが崩れると考えられている。その「新しい種」で最も島嶼環境に影響を与える生物がヒトである。ヒト1種がバランスと取れた環境に植民するだけで、彼・彼女らは森林資源および生息する動植物を利用する。これらの行動が引き金となり、島嶼環境は激変する。
世界の島の先史学から提言されている「定説に近い仮説」は「ヒトが島嶼環境に適応すると島の環境は劣悪化あるいは環境破壊が起こる」というものである。オセアニアの島々、カリブ海の島々および地中海の島々では、ヒトが島に出現すると森林破壊や土砂崩れが報告され、さらに多くの動物が絶滅したことが確認されている。
奄美・沖縄諸島でもヒトの植民後、おそらく環境破壊あるいは劣悪化が起こったと考えられ、先史時代におけるヒトと島嶼環境について考察した。しかし、奄美・沖縄諸島先史時代においては、上記の「定説に近い仮説」は当てはまらないかもしれない。先史学的・考古学的調査のなされた島において、このような島は世界に他に存在しないかもしれない。

【募集期間】~令和6年3月14日(木)
【申込み方法】メール、電話、URL:http://cpi.kagoshima-u.ac.jp/kenkyukai/registration-j.html
【申込み〆切】令和6年3月14日(木)
【対象】学生、教職員、一般
【参加費(受講費)】無料
【場所】総合教育研究棟5階 国際島嶼教育研究センター会議室およびオンライン(Zoom)
【お問い合わせ】
 国際島嶼教育研究センター
【対面式】shimaken@cpi.kagoshima-u.ac.jpまたは099-285-7394へ(担当:井手元)
【オンラインZoom】yotsuka@cpi.kagoshima-u.ac.jp (担当:大塚)
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