障害別支援について
平成24年に配付されました、「教職員のための学生理解と個別支援マニュアル」を参考にしながら、支援や配慮について掲載いたしますので、ご参考にされて下さい。
①身体障害を有する学生への支援
- 聴覚障害
情報提示の仕方の工夫 補聴器からの情報と視覚的な情報(話者の口の動き・板書・OHP・配付資料等)をあわせて授業内容を理解する。そのため、口の動きが見えるように体を向けたり、理解しやすい資料提示を工夫したりすることが必要。
※当センターで開催される修学支援会議にて検討し、補聴器の貸し出しやノートテイカーの配置などの支援を提供することもあります。
- 視覚障害
支援 |
内容 |
主体的な声かけ |
「こんにちは」などこちらから声をかけることで相手がいることを理解することができる。 |
手がかりと補足的説明 |
対象物がある場合には指先を導き、説明を加えながら観察させる。触覚的な手がかりだけでは理解しにくい事柄では、補足的説明が重要な情報源となる。 |
指示代名詞を使わない |
「この」「あそこの」などの指示代名詞は避ける。特に位置を特定する場合は、具体的な説明を行う。 |
移動の介助 |
初めての場所や危険が伴う場合などは一緒に歩いてあげることが大切。また頻繁に利用する場合は、動線の確保や安全点検・確保など、一人で歩くために必要な準備を行う。 |
教室での着席位置 |
最前列に座らせる。実験や観察は近くでできるよう配慮。 |
- 肢体不自由
支援 |
内容 |
講義室等の配慮 |
移動しやすい1階の講義室やエレベーターのある建物での授業を実施。教室での座席配置、スペースの確保に配慮する。また、動線や安全の確保をするため、教室外の段差解消に留意が必要。
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休憩室(スペース)等の設置 |
障害の特性上、専用の休憩室が必要となる場合もある。教材や学用品を持ち歩くことが困難な場合は、ロッカーの確保等の配慮をする。 |
駐車スペース等 |
自家用車を使用する場合は、駐車スペースの確保が必要。 |
- 病弱・虚弱
・活動量が多くなりすぎて、過労にならないように留意する。
・本人や家族と情報交換し、必要であれば医師に様子を聞くなどし、病状や状態に応じた活動を行う。
・課題等の提出に当たっての配慮や、必要に応じきめ細やかな対応が必要な場合がある。
②発達障害を有する学生への支援
1.発達障害の特性
発達障害は、「見えない障害」と表現されることがあります。彼らの行動が障害に起因するのではなく、怠慢や不注意、経験不足、しつけの結果とみられることも多いものです。また発達障害を有する学生自身が気づいていない場合もしばし見られます。発達障害の特性をご理解頂き、対象となる学生に適切な支援を行えるよう、声かけ、配慮をお願いいたします。
代表的な障害 |
特性 |
自閉症 アスペルガー症候群 |
社会性の障害→他者と情緒や興味関心を共有しにくい コミュニケーションの障害→会話が一方通行になりやすい こだわり・想像力の障害→特定の興味の限局やルールへの強いこだわり |
注意欠陥多動性障害(ADHD) |
注意の持続・分配・転換の障害→注意を上手く分配して複数の作業を同時に遂行することが不得手。集中力を持続できない。 多動 衝動性→注意の持続時間が短いため、落ち着きに欠け、何かをきっかけにキレてしまう状態になりやすい。 |
学習障害(LD) |
話す、聞く、読む、書く、計算する、推論する等の一部に著しい困難 成績不振と見なされがち |
2.具体的支援例
視覚入力の活用 |
聴覚だけの情報でなく、紙に書かれた物を指差しながら、説明する。板書・配付資料の活用 |
具他的な指示 |
適度な「枠付け」が調和的な行動を取るには効果的。また「・・・してはいけない」といういいかたよりも「・・・しよう」という指示が望ましい。単純な形式で示す。 |
その学生の良さを気づき認めるフィールドバック |
対象学生が、自己肯定感の低さは、学習意欲の低下や無力感等の要因になりかねない。自己肯定感の低さを防ぐには、他者からの肯定フィールドバックが必要。 |
※その他のつまづきとして、不登校・ひきこもり・スチューデント・アパシー等があります。