【博物館】鹿児島県産標本などに基づき大型のフサカサゴ科魚類を新種記載、「ダイオウカサゴ」と命名
[記事掲載日:25.05.09]
本学総合研究博物館の研究チームは、日本・台湾・タイから得られた標本に基づき、フサカサゴ科オニカサゴ属の新種Scorpaenopsis gigas(スコルペノプシス ギガス)を記載し、標準和名として「ダイオウカサゴ」を提唱しました。学名・和名はともに、本種がオニカサゴ属の中では大型であることに因んでいます(成魚の体長は約30 cm)。
本種はこれまで近縁のオオウルマカサゴやトウヨウウルマカサゴと図鑑などでも混同されてきましたが、身体を覆う鱗の枚数や後頭部の形態、身体の小黒斑の有無などの特徴によりこれらの種と識別されます。
Scorpaenopsis gigasのホロタイプ(種の基準として世界で1標本だけ指定される)は鹿児島県大隅半島東岸の内之浦湾にて採集された標本です。本種は日本国内では鹿児島県の他、静岡県や長崎県から採集されています。
本研究の成果は、日本魚類学会が発行する英文誌Ichthyological Researchにて2025年5月5日に公開されました。今回使用された標本(タイプシリーズ)は、鹿児島大学総合研究博物館・京都大学総合博物館・高知大学・タイ国立自然史博物館に収蔵されています。
【掲載論文】Scorpaenopsis gigas, a new Indo-West Pacific species of scorpionfish (Scorpaenidae)
【著者名】Tatsuya Matsumoto and Hiroyuki Motomura
【掲載誌】Ichthyological Research (Online First)
【DOI】https://doi.org/10.1007/s10228-025-01027-w
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生鮮時のダイオウカサゴのホロタイプ(標準体長307.2 mm:鹿児島県内之浦湾産)