トップページトピックス【博物館・連大】日本初記録となるハゼ科アワセイソハゼ属魚類を採集、「カドモリアワセイソハゼ」と命名
【博物館・連大】日本初記録となるハゼ科アワセイソハゼ属魚類を採集、「カドモリアワセイソハゼ」と命名
[記事掲載日:25.06.24]
総合研究博物館と大学院連合農学研究科の研究チームは、これまで日本国内での記録と適用される標準和名がなかったハゼ科アワセイソハゼ属Sueviota minersorum(スエビオタ マイナーズオルム)2個体が沖縄県の西表島から採集されたことを報告し、本種に新標準和名としてカドモリアワセイソハゼを提唱しました。本種はTheonella等のカイメン類の出水孔の内部を住み処として利用することが確認されています。標準和名カドモリアワセイソハゼの「カドモリ」は漢字で「門守」と表記し、これは本種のカイメン類の出水孔に佇む様子が門を守っている様に見えることに因みます。
Sueviota minerasorumは、これまでにインドネシアのラジャ・アンパット諸島からのみ知られていました。日本国内での標本に基づく記録はなく、西表島から水中写真で記録された例があるのみでした。
本研究の成果は、日本動物分類学会が発行する国際誌Species Diversityにて2025年6月19日に公開されました。カドモリアワセイソハゼと同定された日本産の2標本(標準体長15.8-22.4 mm)は総合研究博物館に保管されています。
写真1.カイメン類の出水孔に佇むカドモリアワセイソハゼ
(ダイブサービスYANO・矢野 維幾氏撮影)
写真2.本研究で得られたカドモリアワセイソハゼの生鮮時の写真
【掲載論文】First specimen-based Japanese record of the Sponge-Dwelling Goby Sueviota minersorum (Teleostei: Gobiidae) from Iriomote Island, Yaeyama Islands
【著者名】Masayuki C. Sato and Hiroyuki Motomura
【掲載誌】Species Diversity: 107-110
【DOI】https://doi.org/10.12782/specdiv.30.107
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