【国際島嶼】第216回研究会 「西表島におけるオカヤドカリ類の貝殻利用と幼生放出」
開催日
2022年01月24日(月)時間
16:30~18:00場所
総合教育研究棟5階 国際島嶼教育研究センター会議室/(中継)奄美分室会場(奄美市奄美群島大島紬会館6階)対象
学生・教職員・一般参加方法
イベント概要
「西表島におけるオカヤドカリ類の貝殻利用と幼生放出」
土井 航(鹿児島大学水産学部)
【要旨】
陸生のオカヤドカリは、水生のヤドカリと同様に巻貝の殻を移動可能な住居として利用しており、軟弱な腹部を常に殻の中に入れ、危険を感じたときには体全体を殻の奥に引っ込めて身を守る。オカヤドカリが利用する貝殻は海産腹足類に由来するため住宅事情は海中の水生ヤドカリよりも厳しい。穴開きの欠陥住宅や古民家で我慢する個体もみられる。貝殻を作る腹足類は有史以前から食糧として利用され、海岸付近には貝塚がみられる。オカヤドカリにとって、貝塚は魅力的な住宅展示場で、周辺で暮らす人間の残飯や排泄物はフードコートである。本発表の前半では西表島の2つの集落跡地と周辺の離島で行われたオオナキオカヤドカリという大型種の個体群構造と貝殻利用に関する研究例の紹介を通して、オカヤドカリと人間生活の関係について考察する。オカヤドカリの幼生は海中で生活するプランクトンであり、生育には海水が必要なため、抱卵雌はふ化幼生を海中に放すために波打ち際まで移動する。一般的には砂浜の上で波をかぶりながら、殻の中から幼生を出すが、コムラサキオカヤドカリはマングローブを構成するヒルギ類の幹や枝、根につかまった状態で幼生を放出する。後半は浦内川河口で行なわれた同種の幼生放出に関連する木登り行動の野外調査の結果を紹介する。選択する木の種類や大きさ、位置と、幼生放出行動の周期性に、どのような適応的意義があるのか、他種の知見を交えながら考察する。
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〔事前申し込み〕有〔申込方法〕【対面式】は先着15名様でshimaken@cpi.kagoshima-u.ac.jpまたは099-285-7394へ(担当:西)【オンラインZoom】sotayama@cpi.kagoshima-u.ac.jp (担当:山本)〔申し込み締切〕1/20(木)〔参加費〕【対面式】無料:参加するにあたりご自身の体調を十分にお考えのうえ、ご参加ください。ご参加いただく際はマスク着用等、感染防止にご協力ください。【オンライン】通信費は参加者負担イベントリンク先
問い合わせ先
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099-285-7394メールアドレス
shimaken@cpi.kagoshima-u.ac.jp一般参加
可